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コリアンダー(Coriander)

原産地  地中海沿岸
科名   せり科
特徴   草本
抽出部位 種子
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   リナロール、γ‐テルピネン、デカナール、α‐ピネン

目次

「コリアンダー」のご紹介

近年、香味野菜として人気の出てきたパクチーはスパイスの「コリアンダー」の事です。スパイスとしての「コリアンダー」と、香味野菜のパクチーは同じ植物とは思えないくらい香りが違います。

「コリアンダー」は、どんな植物?

「コリアンダー」はセリ科の一年草です。セロリに似た周りがギザギザの薄い葉を持ち、初夏に白い蝶のような可憐な花を咲かせます。花が終わると丸い緑色の実が生り、スパイスとしては種子を含んだ実を丸ごと使います。日本にも古くから入ってきている植物で、平安時代にはすでに魚料理の香味野菜として使われていた記録が残っています。その時代には中国語の名前の「コスイ」または、「コニシ」と呼ばれていました。江戸時代に入る直前にポルトガル語の「コエントロ」が訛って「コエンドロ」と呼ばれるようになり、現在の和名となっています。

「コリアンダー」の主な産地

スパイスと言うとアジア地域が原産の植物が多いのですが、「コリアンダー」は地中海沿岸が原産と言われています。スパイスとなる植物は高温になる地域を好む種類が大多数です。「コリアンダー」は、気温が高く乾燥している地域を好むことから湿度の高いアジア地域よりは、比較的乾燥している地中海沿岸地域での育成条件が良かったようです。非常に古くから薬草や香辛料として使われていて、紀元前のヨーロッパ地域に栄えた古代文明が残したものに多くの記述があります。耐寒性が弱いので寒い地域では栽培されていませんが、香味野菜としては世界中で栽培されています。

「コリアンダー」の香りと特徴

種子を含む完熟した実を水蒸気蒸留法によって精油を採り出しています。温かみのある甘さとハーブの爽やかさがある香りで、わずかなスパイシーさを含んでいます。香味野菜として使う生の葉は、埃っぽい匂いでカメムシの匂いと例えられることがあり、嫌う人もいます。精油の香りはスパイスとしての「コリアンダー」とほぼ同じで、香辛料としてはピクルスの香りづけや肉や魚料理にも使われ、甘い香りがあるのでお菓子にも使われています。

「コリアンダー」の使い方の例

心を落ち着ける

「コリアンダー」の香りには鎮静作用や抗不安作用を持つ成分が多く含まれています。仕事や人間関係などで疲れてしまった神経の疲労感を緩和してくれる効果が期待できます。また、気持ちを穏やかにできることから、イライラを排除して集中力を高める効能があり、安眠の手助けをする役にも立ちます。空間にほんのり香らせる芳香浴で利用してみてください。

胃腸の調子を整える

太古から胃腸の薬としても使われてきた「コリアンダー」です。食欲不振や便秘、軽い下痢など、お腹の調子が悪い時に使ってください。ローションを使い、優しくマッサージしてください。血行を促進する効果もあるので、冷え性の方にも有効です。

消臭効果

抗菌や抗真菌作用があります。水虫や湿疹の手当に使えますが、それに伴う匂いのケアにも効果があります。嫌な匂いの原因の一つには雑菌の繁殖が挙げられます。抗菌作用のある「コリアンダー」で消臭スプレーを作り、匂いの気になる所に使ってください。

「コリアンダー」を使用する時の注意点

刺激の強い精油です

スパイス系の精油はとても強力です。基本的には肌につけるスキンケアには使用しないでください。特に肌の弱い方は芳香浴でも皮膚刺激を覚える事があります。肌に異変を感じたら使用を中止してください。また、長時間、高濃度で利用すると吐き気をもよおしたり頭痛を起こしたりする可能性があります。しっかり薄めても効果はあるので、使用量と時間に注意してください。

アレルゲンの一つです

セロリなどセリ科の植物に対してアレルギーのある方は使用を控えてください。「コリアンダー」精油は種子を含む果実から採り出しています。種子はその植物が育つためのエネルギーを擁しているので特に強い刺激があります。アレルギーのある方が使用すると重篤な状態になる危険性が否定できません。

「コリアンダー」のまとめ

紀元前から薬草として利用されてきた「コリアンダー」です。「医学の父」や「疫病学の祖」と呼ばれている古代ギリシャのヒポクラテスも、この植物の薬効性を書物に書き残しています。原産のヨーロッパから東西に伝わって行き、現在では世界中の料理に使われています。古くから使われてきたので、その土地に定着してからの期間が長く、地域によって名称が違います。日本で「パクチー」として新鮮な葉を見かけるようになったのは比較的最近のことですが、「パクチー」はタイ語です。このように古来より世界中で利用され、その土地の伝統料理に使われてきた野菜は少ないのではないでしょうか。

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