もみ(Momi fir)

原産地  日本
科名   マツ科
特徴   木本
抽出部位 枝葉
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   α‐ピネン、β‐フェランドレン、酢酸ボルニル、β‐カジネン

「モミ」のご紹介

 日本には多くの固有種があり、地球上でも生物多様性のホットスポットと言える地域です。植物では数千種が分布して、その一部は日本にしか自生しない種がたくさんあります。それは樹木にも当てはまり、「モミ」はその一つです。

「モミ」は、どんな植物?

 「モミ(樅)」はマツ科モミ属の針葉樹です。樹高は20~30mになり、綺麗な形に育つので、日本ではクリスマスツリーに利用されることが多い木です。初夏に咲く雄花は、薄い黄色で小さな花が房のようになり可愛い雰囲気があります。雌花は黄緑色で小さなサボテンのような形で上向きに咲きます。果実は最初緑色をしていますが、秋には茶色くなります。長さが10㎝ほどの円筒形で雌花と同じく枝の上に上向きに付いています。種子は果皮の一部が平らになって翼のような役割をしているので、風に乗って遠くに運ばれていくようにできています。このような種を翼果(よくか)と言います。

「モミ」の主な産地

 日本の固有種で秋田県より南の本州と四国、九州と屋久島に分布しています。モミ属は数十種類の木があり、北半球に多く分布していますが、比較的冷涼な地域が主な生息域となっています。日本の「モミ」はモミ属の中では一番南にまで分布している樹木です。腐葉土などが堆積している場所ではあまり育たず、山の斜面や尾根などで育成しています。成長が早く綺麗な円錐形が端正な姿となるので、神様が降りてこられる指針となるよう、古くから各地の神社で植えられていました。

「モミ」の香りと特徴

 「モミ」の精油は、葉の付いたままの小枝を水蒸気蒸留法によって採り出しています。原料となる枝葉は、ほとんどが自然に生えている木から刈り取ります。太い枝や幹の部分には灰汁が多いので使用しません。細い枝葉でも刈り取って放置すると灰汁が出るので、新鮮なうちに蒸留します。ヒノキやスギと同じく日本人になじみ深い木の香りがしますが、どの針葉樹の精油より一番強い香りがあります。不思議なことに木材としての「モミ」には香りがほとんど無く、無臭に近い材木です。

「モミ」の使い方の例

安定と活力

 「モミ」の香りは自律神経の調整をしてくれます。自律神経には交感神経と副交感神経があり、簡単に言うと活動と安静です。どちらが優位になっても心身に不具合が生じてしまいます。なんとなく体がだるいとか、落ち着かない時に使ってみてください。お部屋で森林浴の気分が満喫できるので、樹々の香りに包まれて心身を整える事ができるでしょう。

清浄な空間作りに

 強力な殺菌作用があります。また、抗菌、抗ウイルスの効果も認められているので、風邪のシーズンなどで活躍します。家の出入り口である玄関先に「モミ」の香りを漂わせておけば風邪やインフルエンザの予防に役立ちます。同時に疲れた身体を労わる効果も得られるでしょう。

住環境を整える

 「モミ」には防虫効果もありますが、一番秀でた作用は消臭作用です。市場には様々な消臭剤が売られていますが、ほとんどが科学的に合成された香りで悪臭を目立たなくさせるように出来ています。「モミ」精油の成分には悪臭の元になるものと反応して悪臭を消す作用があります。また、化学物質のホルムアルデヒドを除去する効果があることも分かっています。近年では使われることが少なくなった化学物質ですが、人体に対して悪影響を与える物質の一つがホルムアルデヒドです。

「モミ」を使用する時の注意点

濃度に気を付ける

 「モミ」はとても強力な精油です。高濃度で使用すると皮膚に刺激を与える可能性があります。また、中枢神経に影響を与える事もあるので、濃度には気を付けてください。薄い濃度でも十分な効果を求める事ができます。

名称について

 「モミ」と言う名で売られている精油の中には、いくつかの種類があります。和精油の中でも北海道のトドマツが「モミ」として売られることがあります。トドマツもモミ属ですが、「モミ」は北海道には分布していません。また、ドイツトウヒやオウシュウアカマツも「モミ」として売られていることがあります。ラベル等で産地や抽出部位、学名を確認して信頼のおけるショップで購入する事をお勧めします。

「モミ」のまとめ

 「モミ」は木材としても利用されています。建築用としては、強度などに若干の難があると言われることがあります。しかし、白い木肌が清潔感を感じさせることから好感度の高い木材と言われています。高い消臭作用があり、材木は無臭で、殺菌効果もあることから食品を扱う場面でよく使われます。例えば、かまぼこの板やお菓子や素麺の箱などに利用されています。「モミ」の木材が屋内の家具や表具に使われれば、消臭や化学物質の除去にも役立ち住環境を向上させることができるでしょう。精油と木材は同じ効果を求めることができるので、鉄骨とコンクリートに囲まれた住空間でも「モミ」精油を使えば、自然の恵みとも言える空間を作り出すことができるのではないでしょうか。

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