原産地 日本
科名 ヒノキ科
特徴 木本・高木
抽出部位 木
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分 ツヨプセン、セドロール、β-ドラプリン、ヒノキチオール(β‐ツヤプリシン)、p-シメン、シャメールB
「青森ヒバ」のご紹介
地球上には多種多様な動物や植物が生息しています。その中には、限られた地域にしかいない生物もあります。日本にも固有の生物がいくつもあります。「青森ヒバ」もその一つで、日本の限られた地域にだけ生えている樹木です。
「青森ヒバ」は、どんな植物?
ヒノキ科アスナロ属の樹木はアスナロだけの一種で、和名をヒノキアスナロと言う日本の固有種です。青森県ではヒバ、北陸地方ではアテ、佐渡島ではアテビなど地域によって呼び名に違いがあり、「青森ヒバ」は植物の正式な名称ではありません。針葉樹のひとつですが、葉は針のような形ではなく、小さなうろこ状の葉が密集してどちらかと言うと平たい形を作っています。樹高は30mにも及びますが、成長は早くありません。美しい円錐形に育つので、「青森ヒバ」が植林されている山は日本三大美林の一つとなっています。
「青森ヒバ」の主な産地
名前の通り青森県にたくさん生育していて、主に本州の北の端に当たる下北半島と津軽半島で多く植林されています。「青森ヒバ」はアスナロの亜種で、北海道の渡島半島から栃木県日光までの範囲で自生しています。津軽半島は比較的平地も多く農業が盛んな地域です。下北半島は本州の最北端になり、様々な生物の北限があります。ニホンザルの北限もこの地域で、人間を除く霊長類の北限でもあり、地球上で一番北に住む猿がここにいます。霊山として有名な恐山もあり、その麓にある宇曽利湖は酸性度が強く、世界でも一番酸性度の強い水質の中で生息している魚がいます。
「青森ヒバ」の香りと特徴
木材を使い水蒸気蒸留法で「青森ヒバ」精油を採り出しています。ヒノキチオールの含有量が多く、すっきりとした樹木の香りがします。木材100㎏から精油は1㎏しか採れません。そのうえ成長も比較的遅い事から、「青森ヒバ」を使った様々な木工製品を作った後の端材や間伐材などを利用する事もあります。ヒバ材は優良な木材となるので、大きくまっすぐな木は建材として使われる事が多いようです。
「青森ヒバ」の使い方の例
穏やかな空間作り
日本人の原風景とも言える香りを持つ「青森ヒバ」は、森林浴と言うより深い山の中にいるような気分にさせてくれます。日常の様々な緊張をほぐしてくれて、リラックスできるような空間を作り出してくれます。また、安眠に導く手伝いも出来る香りです。優しく香る程度で寝室に使ってみてください。
お肌のケア
強力な抗菌作用があり、頭髪に使えばフケの予防や消臭効果も望めます。また、皮脂の分泌を整える効果があり、髪のツヤを良くしてくれます。さらに、頭皮の健康を促進することで育毛の効果もあると言われています。他にもニキビや吹き出物の手当や、手足の荒れなど様々な部位で活用できます。水虫のケアには足湯で使ってみてください。立ち上る香りで、くつろぎのひと時も得られるでしょう。
ペットに
ノミやダニ予防に有効で、散歩などでノミやダニが付く事を防いでくれます。スプレーを作って首輪やハーネスなどに吹き付けて使ってください。居住範囲に使えば消臭効果も得られます。
ホームケア
抗菌や消臭効果があり、防カビ効果もあるので、住宅の様々な場所に使えます。「青森ヒバ」精油を1,2滴たらした水で拭き掃除に使ったり、コットンや木材チップに精油を浸み込ませたりして靴箱や衣服を収納する場所に使ってください。
「青森ヒバ」を使用する時の注意点
アレルギー体質の方
花粉症や食物アレルギーが重篤な方は、使用前にパッチテストなどで異常が起こらない事を確認してから利用してください。妊娠中の方や乳幼児も使用には注意が必要です。
ペット使用について
犬に使う場合は人間に使うよりも薄めて使ってください。低濃度でも十分な効果があります。また、猫には使わない方が良いようです。他の小動物に関しても獣医に相談してから使用してください。
「青森ヒバ」のまとめ
アスナロの名前は高級木材と言われるヒノキに似た香りがすることから、「明日は檜になろう」と言う俗説があり、翌檜、明日檜と記される事もあります。しかし芳香成分であるヒノキチオールはヒノキより多く含まれています。ヒノキチオールは最初に発見されたのがヒノキの一種だった為にその名前がつきました。腐りにくく虫を寄せ付けないことから、古くから良質の木材としても使われ、大きなものではお城や神社仏閣の建造に、小さなものではまな板などに加工されてきました。産地である青森の名称は、昔多くのヒバが大森林を作り出していたことから青い森と称され、そこから地名が青森となったと言う説があります。「青森ヒバ」は青森だけでなく日本の宝の一つなのではないでしょうか。
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