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パイン(Pine)

原産地  ヨーロッパ
科名   マツ科
特徴   木本
抽出部位 枝葉
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   α‐ピネン、ミルセン、カンフェン、酢酸ボルニル

「パイン」のご紹介

 日本では「パイン」と言えば果物のパイナップルを指すことがほとんどですが、英語では松の事を「パイン」と言います。例えば、松の木を製材した木材をパイン材と呼びます。「パイン」は木の香りのする精油です。

「パイン」は、どんな植物?

 「パイン」精油の原材料は主にマツ科のヨーロッパアカマツで、日本では欧州赤松とも呼ばれています。この松は北部ヨーロッパに自生している唯一の松です。比較的まっすぐに伸びる樹木で、樹高は20m以上になります。ヨーロッパの北部には樹高が50m近い巨木の松があります。寒冷な所を好むので、緯度の高い北部ヨーロッパでは平地でも育ちますが、南方では標高の高い山などで生育しています。寒い所で育つので成長は遅い方ですが、平均的な樹齢は150年以上となります。北欧には最古のヨーロッパアカマツと言われる樹齢が約700年と言われる木があります。

「パイン」の主な産地

 ヨーロッパアカマツは、ヨーロッパの北部から中央部にかけての広い地域と西アジアの一部で自生しています。かつては広大な森林を構成する針葉樹の一つでしたが、過剰な伐採や牧草地を作るためにどんどん数を減らしていきました。行き過ぎた開発によって、数百年前には多くのヨーロッパアカマツが自生していた地域で絶滅してしまった所もあります。近年になって森を回復させるために北欧の国々では植林が行われています。最近では、アメリカ合衆国の北部やカナダでも植林されるようになっています。

「パイン」の香りと特徴

 ヨーロッパアカマツの葉から水蒸気蒸留法によって採り出しているのが「パイン」精油です。松葉から抽出しているので、「パイン・ニードル」と言う別名もあります。「パイン」精油の原材料となる松の木にはいくつかの種類があって、香りに微妙な違いがあります。基本的には、少し甘みのある木の香りがする精油です。樹木の香りにはスッキリしたものもありますが、「パイン」精油はぬくもりのある木の香りで、陽だまりを思い起こさせる雰囲気を持っています。

「パイン」の使い方の例

自信を回復

 色々な事が思うように進まず気持ちが落ち込んでしまっている時や、仕事などで失敗して自己否定してしまう時に「パイン」の香りを試してみてください。気持ちが外に向かっていかない時、物事がうまくいかない事で悲観的になっている時に、お部屋を「パイン」の香りで包み込んで自分を励ましてください。

呼吸器の不調に

 鎮痛作用や痰を切りやすくする効果があります。炎症を抑える効果もあり、風邪を引いて咳き込み喉が赤くなって痛む時や気管支炎の手当に効果があります。アロマランプなどで香りを広げる芳香浴を試してみてください。

お肌のトラブルに

 皮膚に対する抗炎症作用と殺菌作用があるので、ニキビや吹き出物の手当に利用できます。また、湿疹やアトピー性皮膚炎にも症状を和らげる効果があります。手作りの石鹸やバスソルトで活用してみてください。

「パイン」を使用する時の注意点

原材料の種類について

 「パイン」精油の原材料となる松の木にはいくつかの種類があります。その中では作用が穏やかなことからヨーロッパアカマツが多いのですが、他にクロマツやカイガンマツ、日本の五葉松に似たヨーロッパハイマツなど多くの種類があります。学名を確認してから購入してください。また、葉だけでなく果実(球果)からも精油を抽出している場合もあります。中には木部から抽出した質の劣るものもあるようです。いずれにしてもラベル等で確認して信頼できるショップで購入する事をお勧めします。

皮膚刺激

 ヨーロッパアカマツの「パイン」精油は比較的作用が穏やかなので万人向けと言えますが、肌に付着した時に刺激を感じる事があります。お肌に異常を覚えた時には一旦使用を中止してください。敏感肌の方は薄い濃度で使用してください。使用前にパッチテストを行うことをお勧めします。

「パイン」のまとめ

 松の木は日本人にとってはとても身近な樹木ではないでしょうか。松の付く名前や地名がたくさんあり、昔から縁起の良い木としてお祝い事や、喜ばしい席などに欠かせないものです。風格のある形に育つため盆栽の素材に使われたり、日本庭園に植えられたりしてきました。また、防風林や防砂林として海岸線に植林されています。松の樹液から採れるロジンは、滑り止めや医薬品など非常に幅広い利用価値の高いものです。松葉を使ったお茶やお酒もあり、体に良いとされています。葉に含まれる芳香成分は、疲労回復や睡眠の質を向上させる効果があることは科学的に実証されています。様々な効能や用途がある松が古来より身近にあったことが、人々の生活が豊かになった一因と言っても過言ではないでしょう。

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