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バイオレット(Violet)

原産地  西アジア
科名   スミレ科
特徴   草本
抽出部位 葉
抽出方法 揮発性溶剤抽出法
成分   リノレン酸、パルミチン酸、ノナジェナール、ノナジェノール

「バイオレット」のご紹介

 春を告げる花はいろいろありますがスミレを連想する人は多いのではないでしょうか。紫色の可憐な姿のスミレは、野山だけでなく街中のコンクリートの隙間でも花を咲かせる強い草花です。ヨーロッパで育つスミレは、香りの高い種類で大変古くから薬草としても使われてきました。

「バイオレット」は、どんな植物?

 スミレ科スミレ属の植物で、ニオイスミレと呼ばれる種類の草花から「バイオレット」精油が採り出されています。日本で見るスミレに似ていますが、葉が少し丸みを帯びていて、花の色が比較的濃い紫色をしています。寒さには耐性があり、暑さには弱いので温帯域より暑い地域では生育しません。花は砂糖漬けにしてケーキのデコレーションなどに使われます。種と根には神経毒の成分が含まれていますが、薬草としても使われていました。

「バイオレット」の主な産地

 ニオイスミレは西アジアからヨーロッパにかけての広い地域で自生しています。紀元前にはすでにギリシャで栽培されていた記録が残っています。ギリシャ共和国の首都であるアテネは古くから栄えてきた大都市で、街の周辺にはニオイスミレの群生があったことからアテネを象徴する花とされていました。また、中世ヨーロッパでは、香り高いニオイスミレを床に撒いて匂い消しとして利用していました。

「バイオレット」の香りと特徴

 「バイオレット」には2種類の精油があります。葉から採れる「バイオレット・リーフ」と、花から採れる「バイオレット・フラワー」です。いずれも揮発性溶剤抽出法と言う方法で精油が抽出されています。効能もほぼ同じですが、香りが違います。「バイオレット・フラワー」は清楚なフローラル系の香りで、「バイオレット・リーフ」は樹木のような香りと草の匂いが混じったような、ちょっと青臭くスッキリとした香りです。「バイオレット」精油は採れる量が少なく高価な精油ですが、「バイオレット・フラワー」は更に希少な精油となっています。

「バイオレット」の使い方の例

心を鎮める

 鎮静作用があるのでイライラや不安感を鎮める効果があります。また、むやみに緊張してしまった時に気持ちを和らげることもできます。心配事や悩み事があってよく眠れない時には安眠に導くこともできます。身の回りに柔らかく香らせてください。

鎮痛作用があります

 ニオイスミレは、古来より呼吸器のケアに薬草として使われていました。気管支炎や風邪などで咳が出て、のどが痛くなった時に使ってみてください。頭痛や偏頭痛、関節痛などの痛みを緩和する効果も期待できます。

スキンケアに

 ケガが直った後に痕が残ることがあります。その傷痕を修復する作用があります。炎症を抑える効果もあるので湿疹やニキビなどによる痒みを抑え、その他の肌のトラブルにも利用できます。トリートメントで活用してみてください。

「バイオレット」を使用する時の注意点

お肌に使用する時に

 お肌に良い成分が含まれていますが、皮膚刺激を起こす可能性があります。「バイオレット」精油をそのまま肌に塗る事は無いと思われますが、お肌についた時に赤くなったり、痛みを感じたりすることがあります。特にお肌の弱い方は注意が必要です。低い濃度から使用する事をお勧めします。

妊娠中の方

 筋肉や血管を縮める収れん作用があるので、妊娠中の方は芳香浴など香りを楽しむ事以外は使用しないほうがよいでしょう。また、授乳中の方も使用を控えてください。

強い香り

 「バイオレット」は粘性が高くとても香りが強い精油です。1滴にも満たない量でもかなり香ります。利用する際には十分薄めてください。ブレンドする場合もわずかな量から試してください。

「バイオレット」のまとめ

 「バイオレット」は、ラベンダーやローズと並ぶフローラル系の香料として数千年前から好まれてきた香りです。その香りと共に紫色の清楚なイメージの花は、中世ヨーロッパのフランス王妃マリーアントワネットや、皇帝ナポレオンも愛した花と伝えられています。スミレ属は世界中で約400種の花があります。その内、およそ50種が日本で自生していて、狭い範囲に多くの種があることから、スミレに関しては世界でも珍しい生態を示している地域と言えます。しかし、香りの高いニオイスミレの様な種が自生しているのはヨーロッパがほとんどで、多様な種類があるスミレにはお国柄のように地域性のある種が育ってきたと言えるでしょう。

 

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