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イランイラン(Ylang Ylang)

Cananga odorata

原産地  マダガスカルなど
科名   バンレイシ系
特徴   木本・高木
抽出部位 花
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   ゲルマクレンD、ゲラニオール、リナロール、β‐カリオフィレン、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、α -ファルネセン、安息香酸ベンジル

「イラン・イラン」のご紹介

原産地と言われているフィリピンの言語の一つタガログ語で、「花の中の花」と言う意味を持つ花が「イラン・イラン」です。
見かけは美しいわけでも、豪華なわけでもありませんが、とても良い匂いのする花です。
学名は「カナンガ・オドラータ」と言い、オドラータは、匂い若しくは香りを意味します。

「イラン・イラン」は、どんな植物?

イラン・イランの木は元々熱帯雨林に自生していた樹高10mにも及ぶ高木です。
濃い香りと、甘みで近年人気の出てきたトロピカルフルーツのポポーと植物界での親戚にあたります。
木の肌は白樺の木の様な白っぽい斑があります。
花芽は、複数の葉が付く枝の脇や若い枝の先端に付きます。
花の形は、複数の細い花びらが伸びて大きな花では最終的に10cm近くにもなり、薄い花びらがくるくると縦にカールします。
色は比較的地味な黄緑色をしています。この時点ではあまり香りを放っていませんが、次第に黄色味を帯びて香りも高くなります。

「イラン・イラン」の主な産地

フィリピンが原産とする説もありますが、確実なところは不明です。
南アジアからオーストラリアにかけての亜熱帯から熱帯の地域に自生しています。
近年では、イラン・イラン精油の全生産量の約三分の一が、アフリカ大陸とマダガスカル島のほぼ中間に浮かぶコモロ諸島で作られています。
4つの島の内、3つの島がコモロ連合で1つはフランスが統治していて、政治は複雑となっています。
主な産業は農業と漁業で、中でもイラン・イランやバニラなど香料の原材料となる植物の栽培が盛んです。
また、近くの海では、生きた化石と呼ばれるシーラカンスがたびたび捕獲されています。

「イラン・イラン」の香りと特徴

濃厚な甘い香りが一番の特徴です。
早朝に採取された花を水蒸気蒸留と言う方法で精油を取り出します。
およそ24時間かけて蒸留されますが、ランクが4つに分かれていて、最初の1~2時間で採取されたものをエクストラと言い、一般的な花の匂いに甘さが加わった強い香りがします。
2番目はそれから2~3時間後に抽出され1stと表示され、香りもほぼ同じです。
3番目は1stの後約6時間後に取り出され2ndと言い、香りは穏やかになってきます。最後まで抽出されたものが3 rdで、特徴的な強い甘さは無くなって穏やかな花のイメージの匂いが残ります。

「イラン・イラン」の使い方の例

緊張を解く

リラックスしたい時には、お部屋に香りを漂わせる「芳香浴」として使われます。アロマオイルを温めて拡散させる方法や、小さめの布地などに数滴垂らして身の回りに置く方法もあります。
また、入浴の時にオイルを少量入れたお風呂にゆっくり浸かるのもお勧めです。

皮脂の分泌を整える

スキンケアやヘアケアに利用されます。手作りの化粧水や無香料のシャンプーなどにアロマオイルを1、2滴入れると、良い香りと共に脂性の肌や乾燥肌の症状を抑えます。
老化による皮脂分泌の少なくなった肌にも、良い効果を求めることができます。

「イラン・イラン」を使用する時の注意点

香りが強い

グレードにもよりますが、強めの香りですので高濃度で長時間使用すると頭痛や吐き気を起こす恐れがあります。少し薄めるか、少量で使用するのが良いでしょう。

皮膚に刺激を与える可能性がある

同じ場所に高濃度のオイルをつけると炎症を起こす場合があります。薄めたものを使用し、時間を空けるか、つける場所を変えましょう。

緊張が求められる場合

リラックス効果が大きいので、車の運転など、集中しなければいけない場合は使用しないで下さい。

「イラン・イラン」のまとめ

毎年5~6月に採れる花50kgから「イラン・イラン」の精油はたった1kgしか採れません。高級な香水によく使われる「イラン・イラン」ですが、グレードによって様々な利用方法があります。お菓子などの食品に香りづけの為の添加物としても使われています。また、中世ヨーロッパでは、マカッサル油と言う育毛剤や整髪料の原料としても使われていた記録が残っています。

マリリンモンローといえばシャネルの5番です。
そのシャネルの5番の香りの主成分はイランイランです。

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