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フランキンセンス(Frankincense / Olibanum)

原産地  アラビア半島・紅海地域
科名   カンラン科
特徴   木本
抽出部位 樹脂
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   α‐ピネン、リモネン、p-シメン、ボルネオール、ミルセン、サピネン

「フランキンセンス」のご紹介

 古代より王の権威を示したり、神に祈りを捧げたりする神聖な場所がありました。
そこでは荘厳な建物が作られ、厳かな雰囲気を作り出すための空間が演出されていました。「フランキンセンス」の香りは古くから王城や神殿で使われてきた由緒ある香料です。

「フランキンセンス」は、どんな植物?

 「フランキンセンス」は、砂漠や、岩山などの乾燥地帯で育つ塊根(かいこん)植物であるボスウェリア属の木から採れる精油です。
塊根植物とは、サボテンのように乾燥した土地に適応した、根が大きくなって地上部分に露出し栄養分を溜め込む植物です。ボスウェリア属は小さく分けて色々な種類がありますが、基本的にはごつごつした木にちいさな葉が付き、白い小さな花が咲きます。
大きくなる種類では樹高が5~6mにもなり、幹は比較的まっすぐに伸びます。
最近では面白い外見から鉢植えや盆栽で楽しむ人が増えているようです。

「フランキンセンス」の主な産地

 「フランキンセンス」が採れる木は、アラビア半島やアフリカ大陸の東側で自生しています。乾燥地帯に生えるこの木は栽培が難しく、自生している木から「フランキンセンス」を取り出しています。アラビア半島の最南端に位置するオマーン産が上質とされています。「フランキンセンス」は「乳香(にゅうか)」とも言い、この国には乳香の土地と呼ばれる場所があります。世界遺産にも認定されているこの地は、太古の交易地として栄えてきました。乳香は上等な交易品の一つで、同じ重さの金と同等の価値があったとされていました。

「フランキンセンス」の香りと特徴

 「フランキンセンス」は、澄んだ木の香りと爽やかなレモンの様な香りがバランスよく、香辛料のようなピリッとした香りがアクセントを添えています。
樹脂を乾燥させて水蒸気蒸留、若しくは有機溶剤法と言う方法で精油が抽出されています。ボスウェリア属には様々な種類があります。一般的に多く流通しているのが、「ボスウェリア・カルテイリ」と言う種です。オマーンなどで採取される上質なものは「ボスウェリア・サクラ」と言う名で、より濃厚でありながらみずみずしさも備えた香りです。
このように、一口に「フランキンセンス」と言っても種類や産地によって香りに違いがあります。

「フランキンセンス」の使い方の例

静謐(せいひつ)を求める

 神殿や教会でも使われる香りは、落ち着きや鎮静を求めることができます。イライラしたり、不安感があって落ち着かなかったりしている時には芳香浴をお勧めします。遥かな昔から神聖な場面で焚き染められてきた「フランキンセンス」の香りは、自然に厳かな気持ちにさせられるようです。また、ヨガなどで精神集中したい時にもお勧めです。

殺菌作用があります

 特に呼吸器系に良い作用が認められます。のどの粘膜の免疫力を高める効果があり、気管支炎の痛みを緩和することも期待できます。大き目のカップなどにお湯を入れ、精油を1滴たらして立ち上る湯気を吸引してみて下さい。
また、手作りのクリームに入れて胸のあたりに塗るのも効果的です。呼吸が楽になり、吸い込んだ香りは深い呼吸をもたらせてくれます。

お肌に

 古代エジプトでは、高貴な人々が肌の老化を防ぐために「フランキンセンス」を使っていたと言われています。肌を潤して柔らかくする作用があり、年齢肌や乾燥肌に良いとされています。
また、あかぎれや傷の手当にも使われます。
精油を混ぜた化粧水を使われるとよいでしょう。抗菌効果もあるので、脂性の肌のトラブルにも効果があります。

「フランキンセンス」を使用する時の注意点

使用に関しては特段の禁忌はありませんが、妊娠初期の方は、使用に注意が必要です。

香りの違い

 産地や木の種類によって精油の香りや色が違います。
気に入った香りを見つけた時にはメモを取るなどして覚えておいた方がよいでしょう。

名称について

 「フランキンセンス」は古いラテン語で「混じりけの無い良い香り」と言う意味です。
同じものですが、他に「オリバナム」と言う名称もあり、レバノン産の「フランキンセンス」を指します。精油では「乳香(にゅうこう)」を使うことは少ないようですが、樹脂が乳と同じような色をしていることから付けられた名称です。

「フランキンセンス」のまとめ

 最も歴史のある香りとされている「フランキンセンス」は太古の昔から使われてきました。
エジプトのファラオの墓から乳香が埋葬品として出土しています。また、聖書にもイエス・キリストが生まれた時に、黄金と共に贈り物として捧げられたことが記されています。
日本には平安時代にシルクロードを通じて伝来しました。純粋に香料として使われ出したのは中世になってからですが、「フランキンセンス」は時代の流れと重みを感じる香りと言えるでしょう。

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