原産地 インド
科名 ミカン科
特徴 木本
抽出部位 果皮
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分 リモネン、β‐ピネン、シトラール、α‐ピネン、サビネン、ミルセン
「ライム」のご紹介
「ライム」はレモンと並ぶ爽やかな果実の代表と言える果物です。同じような使い方をすることもあり、レモンライムと言って一緒に呼ばれることがありますが、それぞれに特徴があります。「ライム」は「大人の味と香り」と称される柑橘です。
「ライム」は、どんな植物?
ミカン科の樹木です。常緑の木で樹高が3mくらいまで育ちます。比較的標高の高い所で栽培され、暑さには強く若干の寒さには耐性があり、氷点下をかなり下回らなければ枯れる事はありません。四季咲きと言って、温かい季節ではほぼずっと白い芳香のある花が咲きます。従って果実も長い期間収穫する事ができます。果実の形はレモンより丸い感じで、果皮が緑色の頃の完熟する前に収穫されます。熟すとレモンの様に黄色くなりますが、酸味が抜けてしまうようになります。
「ライム」の主な産地
インドの北東部からマレーシアやミャンマーなどアジアの亜熱帯から熱帯域が原産地と言われています。古代から中世にわたって東洋と西洋を結んでいたシルクロードには海を渡る道もありました。アジア熱帯域からインド洋を渡り、アラビア半島からヨーロッパへアジアの様々な物が運ばれていきました。更に、大航海時代にはアメリカ大陸へと人と多種多様なものが渡り、その中にはたくさんの植物も含まれていました。最終的にメキシコへ持ち込まれ、「ライム」の栽培に適した気候だったために現在では大規模な栽培が行われています。日本での「ライム」輸入はメキシコ産が大部分を占めています。
「ライム」の香りと特徴
果実の皮を圧搾法、または水蒸気蒸留法で精油を抽出しています。レモンの香りと似ていますが、甘い酸味のレモンと違い、苦味のある酸味の香りです。苦味があるせいで酸味が強く感じられ、鋭いとか尖ったイメージと言われることがあります。香りだけでなく味にも苦味があり、大人の酸味と言われることがあります。レモンの様にお菓子などの香りづけにはあまり使われませんが、お酒には愛称の良い香りで、様々なカクテルが考案されています。
「ライム」の使い方の例
気持ちを引き締める
酸味のある香りは集中力を高めると言われています。特に「ライム」の酸味は強く感じられることが多いので、勉強や大事な仕事で頑張りたい時に有効です。また、気持ちを切り替える時にも効果があります。リフレッシュしたい時や反対に緊張感を持たせたい時に使ってください。
身体の調子を整える
胃腸の働きを助けてくれる効果があります。なんとなく食欲の出ない時や消化不良、胸やけなどが起こる時に利用してください。また、血行を促進する作用や抗菌、抗ウイルス作用があり、風邪やインフルエンザの予防にも役立ちます。玄関先などで香りを漂わせるように使ってみてください。
お肌も引き締める
収れん作用があるので、肌の引き締め効果があります。皮脂の分泌を抑える効果もあり、ニキビや吹き出物の手当にも有効です。リンパの流れや血行を良くする事でむくみやセルライトのケアにも効果があります。マッサージや入浴で利用してみてください。
「ライム」を使用する時の注意点
皮膚に対しての注意
お肌に良い効果がありますが、柑橘系の精油には光毒性があります。光毒性とは、精油が肌に付いたまま紫外線に当たると、皮膚に炎症や痒みなどの不快な症状が現れる事です。水蒸気蒸留法で抽出すると光毒性が抑えられると言う説もありますが、構成している成分は変わらないので、「ライム」精油を肌に使った後は日光に当たらないようにしてください。
また、皮膚刺激を起こす可能性があります。特にお肌の弱い方は、使用前にパッチテストを行って、異常が起きないか確かめてから利用する事をお勧めします。
樹脂製の容器に入れない
「ライム」精油には油を溶かす成分が含まれています。希釈した精油を入れておく容器には樹脂製の物は使用しないでください。
ライムフラワーについて
リンデンと言う菩提樹のハーブがありますが、ライムフラワーとも呼ばれています。菩提樹の花や葉には良い香りがあり、ハーブティーなどに利用されています。名前が似ていますが、全く違う物なので注意してください。
「ライム」のまとめ
「ライム」は主張の強い香りなので、香水などの香料として使われることはあまりありません。しかし、強い香りだからこそ有効的な使い方もあります。様々なカクテルに使われるのも、お酒の強い香りに負けない香りと味があるからだと言われています。また、「ライム」を乾燥させたものを香辛料や調味料として使っている地域もあります。大航海時代には、壊血病の予防にザワークラウトと共に船に積み込まれていたと言うエピソードもあり、古くから人々の傍らにあった柑橘の一つと言えるでしょう。
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