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パルマローザ(Palmarosa)

原産地  インド
科名   イネ科
特徴   草本
抽出部位 全草
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   ゲラニオール、酢酸ゲラニル、リナロール

「パルマローザ」のご紹介

 いろいろと意表を突く植物があります。パルマロサグラスと言う植物は、見た目からは想像できない華やかな香りを持っています。また、別名がとても多く、ローザグラスやジンジャーグラス、インディアンゼラニウム(インドのゼラニウムと言う意味)など、まだまだたくさんの異名があります。その植物から採れる精油を「パルマローザ」と言います。

「パルマローザ」は、どんな植物?

 精油の「パルマローザ」は、パルマロサグラスと言うイネ科の植物から抽出されます。多年草のこの植物は熱帯から亜熱帯の湿地を好み、成長すると3mほどの高さになります。見た目は川岸に生えている葦に似ています。茅の葉の様な細長い葉は、揉むと花のような香りが立ちます。夏から秋にかけて咲く花は、滅多に咲くことのない竹の花に似ています。蕾を覆う部分が舟の形に見え、その先に細いヒゲの様なものがたくさんあることから、ギリシャ語で舟とヒゲを表す単語を組み合わせた造語が学名となっています。

「パルマローザ」の主な産地

 パルマロサグラスは別名にインディアンゼラニウムやインディアンロジャなど、インディアン(インドの)と言う単語がついているものもあります。そのことから分かるように、インドが原産地と言われています。自生しているのはインドの他にインドシナ半島などアジアの熱帯から亜熱帯の地域です。「パルマローザ」精油を採るために栽培している所もたくさんありますが、アフリカ大陸の東に浮かぶマダガスカル島で高い品質のものが採取されています。この島はサトウキビやコーヒーに加え、ハーブやスパイスの栽培が盛んです。また、バニラなどの香料を採取するための植物も栽培され、いずれも高品質のものを産出しています。

「パルマローザ」の香りと特徴

 花が咲く前の葉を刈り取り、乾燥させてから水蒸気蒸留法によって精油を抽出しています。「パルマローザ」には、ローズオットーやゼラニウムに含まれている芳香成分であるゲラニオールを持っているので、爽やかさもあるバラに似た華やかな香りがします。一年に数回収穫され、精油の産出量が多いためローズオットーよりかなり安価になっています。エレガントな香りは化粧品や石鹸の香料として使われていますが、大変高価なローズオットーの偽和(精油を薄めたりする事など)にも使われています。


「パルマローザ」の使い方の例

気持ちを軽く

 不安感や孤独感、悲壮感など負の感情を取り払い、前向きになれる手助けをしてくれる香りです。花の甘く華やかな雰囲気と、草の持つ爽やかな匂いが沈み込んでしまった心を軽くしてくれます。芳香浴や入浴の時などに活用してみてください。

体力の底力を上げる

 免疫力を高め、疲れが溜まって少し弱った身体の調子を整えてくれます。また、抗炎症作用や鎮痛作用があるので、様々な炎症のケアに使えます。手軽にできる足湯などで血行を促進すれば、冷え性を改善して風邪の予防にも役立ちます。

あらゆる肌のトラブルに

 抗菌、抗真菌作用や収れん作用があるので、ニキビや吹き出物だけでなく皮膚の感染症のケアにも有効です。また、老化による乾燥気味の皮膚の細胞が再生する手助けをしてくれます。日焼けなどによる肌のダメージにも効果があります。化粧水やクリームを作って活用してください。

「パルマローザ」を使用する時の注意点

妊娠中の方

 収れん作用があるので子宮を刺激する可能性があります。妊娠中の方は使用しないほうがよいでしょう。妊娠後期であれば使えることもありますが、医師や助産師など専門家に相談するか、指示を仰いだ方がよいでしょう。

アレルギーについて

 パルマロサグラスはイネ科の植物です。食物アレルギーの中で、お米にアレルギー症状を示す方は少ないようですが、異常を感じたらすぐに使用を中止してください。

「パルマローザ」のまとめ

 パルマロサグラスはレモングラスなどと同じオガルカヤ属に属します。この種類の植物には葉に芳香成分を持つものが多いのですが、爽やかな柑橘系の香りのするものが大部分です。パルマロサグラスの様に花のような甘い香りのする草は珍しい部類と言えます。しかし、共通点も多く、防虫や防カビに加えて殺菌の効果も持ち合わせています。インドやネパールなどパルマロサグラスが自生している地域では、昔からその様な効果を持ち合わせていたことを知っていた人々が、穀物などの食料を蓄えておく倉庫に一緒に保管していたと言うことです。防虫などの為にパルマロサグラスを一緒に収納していた食糧庫は、良い香りが漂っていたかもしれませんね。

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