原産地 熱帯アジア・アフリカ・太平洋諸島
科名 シソ科
特徴 草本
抽出部位 葉
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分 メチルカビコール約80%、リナロール約1~2%
「バジル」のご紹介
イタリア料理によく使われるハーブに「バジル」があります。生の葉をそのまま使ったり、料理やお菓子に入れたりと様々に利用されています。多くの種類がある「バジル」は役割によって違う植物を使っています。精油は主に「スイートバジル」から採り出しています。
「バジル」は、どんな植物?
「バジル」は、シソ科の多年草ですが寒さに弱いため日本では一年草として扱われています。現在の栽培種は約150種あります。草丈は成長すると50~60㎝くらいに達し、特徴的なツヤのある葉には芳香があります。夏になると花穂が伸びて小さな白い花が咲きます。種類によっては花の色が薄い紫やピンクのものもあります。種子は水分を含むと種の周りにゼリー状の塊ができます。漢方薬として種子が日本に入ってきた当初は、ゼリー状の部分が目の汚れを取り去るとして「目箒(めぼうき)」と呼ばれていました。
「バジル」の主な産地
「バジル」はインドやアジアの熱帯域、アフリカなど広い範囲の熱帯域が原産と言われていますが、正確なところは不明です。インドではある種の「バジル」が、古来より伝わるアーユルヴェーダ(生命科学の意)と言う伝統的な医療に使われています。ヨーロッパには、紀元前にアレクサンダー大王がインドから持ち帰ったとする言い伝えがあります。日本には江戸時代に持ち込まれましたが、あまり定着しませんでした。現在では、生鮮品としての「バジル」の需要が高まってきた為、日本の各地でも栽培されています。
「バジル」の香りと特徴
「バジル」の精油は、花を含む葉や茎全てから水蒸気蒸留法によって抽出しています。ヨーロッパでは16世紀にはすでに精油が作られていて、石鹸の香料や香水の原料の一つとして使われていました。「バジル」には、ケモタイプと言って育成環境によって含有成分の違うものがあります。一般的に使われるのが「バジル・リナロール」です。青しその香りを柔らかくしたような香りがします。「バジル・メチルカビコール」は清々しさの中に甘さのある香りの精油です。
「バジル」の使い方の例
「バジル・リナロール」
一般的に使われる「バジル」精油はほとんどが「バジル・リナロール」です。鎮静や筋肉の緊張を緩和する働きがあります。肩こりや筋肉痛、背中のこわばりなどに効果があります。トリートメントやマッサージでケアしてみてください。沈んだ気持ちやイライラを鎮め、気分をリフレッシュすることも期待できます。少量、若しくは薄めた精油で、柔らかくお部屋に香りを広げてみるのがよいでしょう。
「バジル・メチルカビコール」
メチルカビコール(または、エストラゴール)と言う成分が多く含まれている精油です。強い抗うつの効果があり、意味もなく落ち込んだり悲壮感に見舞われたりした時に有効です。また、ストレスからくる緊張などにも効果があります。
「バジル」を使用する時の注意点
作用が強い
「バジル」は強力な精油です。少量を薄めて使ってください。高濃度で使用した場合には、皮膚刺激を引き起こす可能性もあります。特に敏感肌の方は注意してください。また、小児や妊娠中の方は使用を控えた方がよいでしょう。
種類が色々あります
ここでご紹介しているのは「スイートバジル」ですが、精油を採り出しているバジルは他にもあります。また、ケモタイプも数種類あるので、産地や名称などきちんと確認して使用目的に応じて信頼できるショップで購入する事をお勧めします。
「バジル・メチルカビコール」について
メチルカビコール(または、エストラゴール)には発がん性や毒性が疑われると言う報告があります。しかし、飲用すればよい効果を求める事ができるとの意見もあります。一般にはあまり売られていませんが、正確な知識を持った専門家の方か、その指示を仰げる以外は安易に利用しないほうがよいでしょう。
「バジル」のまとめ
「バジル」は、アレクサンダー大王が遠征先のインドからヨーロッパに持ち帰ったと言う伝説があり、ギリシャ語で「王」を意味する「バシレウス」が名称の由来とされています。その言い伝えから、「植物の王様」や「薬草の王様」という別名もあります。紀元前から薬草として使われてきた「バジル」は広く利用されてきたことで、儀式に欠かせない植物であり、迷信の対象でもありました。その結果、神聖なものと邪悪な物の両方の面を持っていると言えるハーブです。また、発ガンを疑われる成分があるとされますが、反対にガンを予防する物質も含まれているとの研究報告もあります。薬草として古くから使われてきたので、たくさんの良い効果があることはわかっている「バジル」は、適切に利用すれば生活に潤いをもたらしてくれるでしょう。
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