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さんしょう(Japanese pepper)

原産地  日本
科名   ミカン科
特徴   木本
抽出部位 果皮
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   リモネン、β‐フェランドレン、シトロネラール、酢酸ネリル、1,8-シネオール

「サンショウ」のご紹介

 見た目に反して素晴らしい能力があることを「山椒は小粒でもピリリと辛い」と言います。日本で最古の香辛料とも言える山椒は、現在でも日常で使われています。ジャパニーズ・ペッパーと言われる山椒ですが、精油では山椒の違う面を見る事ができます。

「サンショウ」は、どんな植物?

 ミカン科サンショウ属の落葉樹です。雄株と雌株に分かれる樹高が3~5mほどの低木で、木には大きく鋭い棘がたくさん生えています。乾燥や直射日光に弱いので、半日陰の適度に湿度がある山の中に自生しています。春に葉が芽吹く頃、小さく目立たない花も咲きます。雌株は初夏の頃に緑色の実が付き、そのまま木に生っていると秋に赤く熟し、中に黒い種ができます。赤い果実の皮がピリリと辛い香辛料になります。

「サンショウ」の主な産地

 サンショウ属には200種以上の種があります。世界中の熱帯から亜熱帯地域に自生していますが、日本で通常利用されている山椒は日本が原産地です。古来より日本で利用されていた証として、縄文時代の遺跡から土器と一緒に山椒の実が出土しています。さらに、3世紀頃の古代中国で日本列島の人々の事が書かれた「魏志倭人伝」にも山椒の事が綴られています。北海道から屋久島までの広い範囲で自生、または栽培されていますが、山椒の実を栽培、出荷しているのは和歌山県がほとんどを占めています。

「サンショウ」の香りと特徴

 「サンショウ」は、秋に熟して赤くなった果実の皮を使い水蒸気蒸留法で精油を採り出しています。山椒の葉の香りは独特の爽やかさを持っていますが、精油の香りは一味違います。ミカン科の樹木であることの証の様な柑橘に似た爽やかさと、香辛料らしいピリっとしたスパイシーさが混じる粋な感じの香りがします。赤くなった果実の皮を砕いて粉状にしたものが、うなぎの蒲焼などに使われる粉山椒になります。また、七味唐辛子にも同様の物が使われています。黒い種は非常に硬くて香辛料などの食用には使われません。

「サンショウ」の使い方の例

気持ちの切り替えに

 滞った気持ちをクリアにしてくれる香りです。「サンショウ」の香りを嗅いだ瞬間は、気分転換やリフレッシュの効果があり、ゆっくりと漂わせるとリラックスさせてくれます。求める効果で使い方を変えてみてください。

内臓を活発にしてくれる

 山椒の若い緑色の実を齧ると、ことわざの通りピリピリした辛さを感じます。これはサンショオールと言う成分の効果で、辛いのではなく舌を麻痺させる作用です。漢方ではこの成分が胃を刺激して消化を助ける効果があると言われています。消化を促進し、それに伴い体全体にも活力を引き出してくれる効果があります。

防虫

 不快な害虫を寄せ付けない効果があります。夏場の蚊除けには、防虫スプレーを作って網戸や出入り口に吹き付ければ室内に蚊が侵入する事を予防できます。または、蚊取り線香の様に香りを漂わせるのもよいでしょう。爽やかな香りは、夏の暑さを少しは忘れさせてくれるのではないでしょうか。

「サンショウ」を使用する時の注意点

皮膚刺激について

 稀に刺激を与えてしまうことがあるので、お肌の弱い方は使用に注意が必要です。特に敏感肌の方は使用前にパッチテストを行って、赤くなったり、痛みを感じたりすることがあれば使用しないでください。香りを楽しむ芳香浴の場合は問題ありません。

強い香り

 「サンショウ」はとても主張の強い香りです。ブレンドに使う場合は1滴に満たない量でも「サンショウ」が入っていることが分かるくらいなので、使用量に注意してください。わずかな量でも効果はあります。

毒性について

 山椒にはサンショオールと言う成分が含まれています。果実を食べた時に舌に刺激を感じるのは一時的に麻痺を起こすためです。精油を口にすることはありませんが、長時間の使用は避けた方がよいでしょう。

「サンショウ」のまとめ

 日本列島にヒトが住み始めた頃から利用されてきた山椒は、現在も普通の家庭でも使われています。他にも、食用にするだけでなく、木材としても利用されています。木の中心部は黄色味があり、とても硬いので、古くからすりこ木として重宝されてきました。若い葉は生で使いますが、若い実は佃煮などに利用され、熟した果実の皮は乾燥させて粉末にして、粉山椒や七味の材料となります。また、生薬として漢方薬にも使われています。消化不良や嘔吐、寄生虫の駆除など、主に消化器官の不調に効果のある薬に使われています。このように、様々に利用されてきた山椒が精油と言う新しい形で使われるようになったことは、新たな可能性も秘めていると言えるのではないでしょうか。

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