「マージョラム・スイート」のご紹介
食生活を豊かにしてくれるハーブのほとんどはシソ科の植物です。シソ科には数千もの種類があり、良い香りのするものがたくさんあります。「マージョラム・スイート」もその一つで、古来より様々な場面で使われてきた植物です。
「マージョラム・スイート」は、どんな植物?
シソ科の多年草で、学名はオリガヌム・マヨナラと言います。オリガヌムとは山の喜びと言う意味のギリシャ語の造語と言われています。温暖な地域では常緑の草花になりますが、寒さに弱いので寒冷地では1年草として育てられます。草丈は20~50cmくらいで初夏に小さな白や薄いピンクの花が咲きます。蕾がコロンとした丸い形をしていることから、ノッテッド(結び目のある)・マージョラムとも呼ばれます。良い香りと共に薬効成分もあるので、ヨーロッパでは古来より万能の薬草として使われていました。
「マージョラム・スイート」の主な産地
「マージョラム・スイート」は地中海沿岸が原産地と言われています。現在の主な産地はスペイン、フランス、チュニジア、エジプトなど、やはり地中海沿岸での栽培が多いようです。栽培の歴史も古く、数々の古代文明が花開く頃から人々の暮らしを彩ってきました。
古代ギリシアでは、結婚の祝いとして幸福のハーブと呼ばれた「マージョラム・スイート」で草冠を作り頭に載せていました。また、冥福を祈って故人の装束に添えられました。中世ヨーロッパになると、ホップを使うようになるまでは「マージョラム・スイート」をビールの苦味成分として使っていました。
「マージョラム・スイート」の香りと特徴
「マージョラム・スイート」は、清涼感のある優しい木の様な香りの中に甘さも持っている精油です。花が咲く頃に葉が付いたままの枝を水蒸気蒸留によって精油を抽出しています。精油を採るだけでなく、香辛料や薬草としても使われています。近年では「マージョラム・スイート」のエキスに美肌や育毛にも良い効果があることが分かり、様々な化粧品や育毛剤に添加されるようになっています。
「マージョラム・スイート」の使い方の例
より良い睡眠の為に
疲れすぎると眠れない事があります。また、ストレスや興奮で目がさえる時や、何度も目が覚めてしまうこともあります。そんな時には、寝室に「マージョラム・スイート」の香りを漂わせてみて下さい。精神の鎮静や緩和作用があるので、穏やかな眠りを導くことができるでしょう。入浴時に使うのも良い効果があります。
様々な体の不調に
肩こりや腰痛、筋肉痛などの痛みや、胃腸の不具合など体の調子が悪い時に良い効果があります。血行促進や鎮痛作用があるので、ローションでマッサージをすると症状が緩和されます。呼吸器の不調には蒸気を吸入するとよいでしょう。
美肌効果
血行が良くなるので、肌の老化を抑えたり、むくみを解消することができます。頭皮に使えばフケの予防や育毛にも期待ができます。化粧水やシャンプーに使ってみて下さい。
また、抗菌や抗真菌作用があるので、ニキビや吹き出物、水虫のケアにも使えます。
「マージョラム・スイート」を使用する時の注意点
妊娠中の方
妊娠初期は使用しないでください。中期以降の使用は医師や助産師に相談してください。
集中を求められる時
精神に働きかける作用があり、リラックス効果があるので、仕事や車の運転など集中しないといけない時には使用を控えて下さい。
名称について
マージョラムまたは、マジョラムと言う名の植物はいくつかあります。例えばワイルド・マージョラムはハーブのオレガノの事です。また、スパニッシュ・マージョラムはタイムの仲間です。成分や効能が違うので、購入に際しては学名(オリガヌム・マヨラナ)を確認するのが確実です。
「マージョラム・スイート」のまとめ
マージョラムとはラテン語で「より長い」と言う意味があります。その事からマージョラムは、長寿の為の植物として大変古くから様々な所で使われてきました。
中世ヨーロッパでは、王族や貴族が寝具の香りづけに使ったり、疫病除けとして床に撒いたりしていたと言う記録が残っています。当時は「マージョラム・スイート」の成分などはわかっていなかったと思いますが、長い間使われていたことから、心地よい眠りを求めることができ、病気平癒にも効き目があったことがわかっていたのかもしれません。
良い香りがして、有用な効果もある「マージョラム・スイート」が、山の喜びや長寿の草、喜びのハーブなどの素晴らしい別名を付けられたことは自然なことだったのではないでしょうか。