原産地 インド
科名 オミナエシ科
特徴 草本
抽出部位 根
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分 パチュレン、グルジョネン、パチュリアルコール
「スパイクナード」のご紹介
標高の高い山には森や林を形成するための木々が生育できなくなる境界があり、それを森林限界と言います。その、森林限界より高い所で生育する植物を総じて高山植物と称しています。「スパイクナード」精油を抽出するナルドスタキスも高地で育つ草花です。
「スパイクナード」は、どんな植物?
ナルドスタキスは、オミナエシ科の多年草で標高が3,000mを超える高山に自生している植物です。エビネランに似た葉があり、花が咲く茎が上に伸びて草丈は40㎝くらいになります。夏になると、紫色の小さな花が固まって咲きます。高山植物は植物にとって厳しい環境で育ちますが、ナルドスタキスも岩場や山の斜面で少ない水分とわずかな養分で花を咲かせています。
「スパイクナード」の主な産地
「スパイクナード」の原料となるナルドスタキスは、地球上で一番標高の高い地域であるヒマラヤ山脈を含むインドから中国の北西部にかけての広い地域で自生しています。ヒマラヤ山脈は、ユーラシア大陸とインド亜大陸が衝突して出来たと言われています。最高峰のエベレスト山をはじめ、8,000m級の山が数多くあり、7,000mを超える山はこの地域以外には地球上に存在しません。常に雪を抱くこの山脈があった為に大きな川も形成され、インドや中国に古代文明が興った要因となっています。ヒマラヤとは、古代インドで使われていたサンスクリット語で「雪の住処」と言う意味を持っています。
「スパイクナード」の香りと特徴
ナルドスタキスの根を水蒸気蒸留法によって精油を抽出しています。大地の香りと表される事が多く、土の匂いが甘く、樹木を彷彿とさせる香りも含んでいます。とても個性的な香りで、墨の匂いとかカビ臭いと表現することもあります。旧約聖書と新約聖書の両方に記述のある、キリスト教を信仰する人々にとっては「ナルドの香油」と言う聖なる香りとして有名な香料と言われています。
「スパイクナード」の使い方の例
心を落ち着ける
「スパイクナード」は鎮静作用が際立つ精油で、緊張感や不安感、悲壮感と言ったストレスを和らげる効果があります。また、自覚症状のない心の不均等にも働きかけて安定した気持ちを引き出してくれます。それによって安眠も保証されるようになり、精神にとって良いサイクルに導いてくれるでしょう。
体の中心に作用します
血行を促進する作用があり、心臓の強壮効果も期待できる精油です。鎮静作用もあるので心の緊張などによる動悸を落ち着け、不整脈にも効果が見込めます。ボディトリートメントや入浴で利用してみてください。
女性特有の不快感に
卵巣を刺激する成分が含まれています。血行促進の作用もあるので、月経不順や生理痛の緩和に役立ちます。気持ちを落ち着ける効果もあり、体の不調によってイライラしたり、不機嫌になってしまうことも予防できます。
お肌のお手入れに
抗炎症作用や保湿を高める効果があるので、皮膚の炎症や軽い疥癬に効果があります。血行促進作用もあり、年齢肌の回復も期待できます。他のスキンケアに効果のある精油とブレンドして利用してください。
「スパイクナード」を使用する時の注意点
妊娠中や授乳中の方
卵巣の機能を刺激する作用があるので、妊娠中の方は使用しないでください。授乳中の方も利用は控えた方がよいでしょう。
使用する場面の選択
鎮静作用が強いので、仕事や勉強をする時には使用しないほうがよいでしょう。特に車の運転などで、集中しないといけない時には利用しないでください。
独特の香りについて
好みの分かれる香りの精油です。様々な良い効果が見込めるので相性の良い精油とブレンドしてみてください。専門家に相談するのがよいでしょう。
「スパイクナード」のまとめ
ナルドスタキスは地球の屋根と言われる高地で花を咲かせる植物です。植物の生育にとって必要な水分や栄養分の少ない場所であり、一日の気温差が激しい気候と積雪も多いこの地域で育つ大変古くから活用されてきた植物です。インドではジャタマンシと呼ばれ、伝統医療で使われています。中国では甘松(かんしょう)と言う名の生薬として鎮痛薬や健胃薬として利用されています。また、甘松は平安時代には日本に入っていて甘松香と言う名のお香に使われていました。厳しい環境の中で育つ草花から採れる精油は古代から使われてきましたが、とても高価な精油でした。現代でも生育環境が限られる植物の精油は貴重なものなのではないでしょうか。
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