「ペパーミント」のご紹介
「ペパーミント」は、ミントの大元であるスペアミントと湿地帯を好むウォーターミント(別名、ベルガモットミント)が自然交配して出来たと言われています。
誰でもが知っていると言っても過言ではない、もっともポピュラーな香りの一つです。
「ペパーミント」は、どんな植物?
シソ科の多年生植物で、種や地下茎で増えます。葉は少し厚みがあり、白や薄い紫色の小さな花が咲きます。非常に生命力の強い植物で、雑草に引けを取らない繁殖力があります。虫よけに使われることから花壇の隅に植える方もありますが、一旦植えると他の草花を駆逐してしまう勢いがあります。道路脇などわずかな隙間からも芽を出して成長し、極度に乾燥した地域や極寒の場所でない限り育ちます。
「ペパーミント」の主な産地
ミントの原産地は地中海沿岸と言われています。紀元前の古代ローマやギリシアでは、すでに薬として使われていました。現在、精油を採るための主な栽培地は、アメリカ合衆国の北部地域です。ミントの原種であるスペアミントをアメリカに持ち込んだのは、イギリスからの移民である清教徒の人々であったと言われています。本格的な栽培は、19世紀の半ばにチューインガムの香料として使うことが発案されてからでした。以来、商業的にスペアミントや「ペパーミント」を大規模に栽培し、精油を生産しています。
「ペパーミント」の香りと特徴
「ペパーミント」などのミント類を、日本語で表すとハッカ(薄荷)と言います。
ハッカは口に入れるとすぅーっとした爽快感があります。鼻で感じる香りも同じく清涼感があり、上質なものになるとわずかに甘い香りが混じります。
ミント類の中でも「ペパーミント」は,香辛料の様なピリッとした香りがあるのでペッパーの名が付けられました。
産地では、花が咲く前に刈り取って水蒸気蒸留によって精油が抽出されます。
開花する前の方が香り高くなるようです。
「ペパーミント」の使い方の例
肌の不快感に
かゆみを抑える作用があるので、あせもや虫刺されにスプレーやローションで使ってみて下さい。「ペパーミント」の精油は肌に触れると冷たく感じるので、日焼けなどで肌がほてる時や夏の暑さ対策にも活用できます。抗菌作用もあり、汗をかく時期にボディースプレーで「ペパーミント」を利用すれば一石二鳥です。
体の不具合
頭痛の緩和にシアバターなどを使ったクリームを作り、こめかみや、首の後ろ(うなじ)に塗ってください。爽やかな香りを伴うので痛みからくる気分の悪さも改善されます。
また、のどの痛みにも効果があり、コットンなどに精油を1滴つけて立ち上る香りをゆっくり吸い込んでみて下さい。
気分をスッキリと
疲れていてもやらなければならない事がたくさんあって気が滅入るような時などに、身の回りを「ペパーミント」の香りで包んでみて下さい。前向きな気持ちで取り組めるようになれます。乗り物酔いにも効き目がある「ペパーミント」です。わずかな香りでも吐き気など不快感を取り除くことができ、行動が楽になれます。
「ペパーミント」を使用する時の注意点
刺激がある
少量でもすっとする香りです。濃度の濃い精油を強く吸い込むと咳き込むことがあるので注意が必要です。吸入する場合は、ゆっくりと行ってください。
敏感肌の方
特別に敏感な肌質の方は薄めたものを使ってください。入浴時に使う場合は乳化剤や少量の植物油に混ぜて使ってみて下さい。また、冷涼感があるので冬場など寒い時に使うのは不向きです。
「ペパーミント」の精油の使用を避ける場合
「ペパーミント」にはケトン類と言う成分があります。これは、傷を治したり新陳代謝を促したりする作用がありますが、稀に神経毒のような働きをすることがあります。
従って妊娠中の方、小さい子供、てんかんの持病がある方、高血圧症の方は使わないほうがよいでしょう。
「ペパーミント」のまとめ
紀元前の昔から利用されていた「ペパーミント」は、葉を摘んだだけでも独特の爽やかな香りがします。夏場など暑い時期には、香りと共に冷たさも感じることができるため入浴剤としても使われていました。
料理や飲み物の風味付けにも使われ、同じ名前の緑色をした少し甘いお酒もあります。
ハーブティーにすれば爽やかな香りが気持ちを落ち着け、胃腸の調子も整える事ができます。蚊などの害虫が嫌う匂いがあるので、虫よけとしても使われています。
このように古くから多様な使い方をされ、歯磨き粉やチューインガムの香りとして万人が知っていると言える「ペパーミント」は、ある意味万能の植物と言えるのではないでしょうか。