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クローブ(Clove)

原産地  モルッカ諸島
科名   フトモモ科
特徴   木本
抽出部位 つぼみ
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   オイゲノール、β‐カリオフィレン、酢酸オイゲニル

「クローブ」のご紹介

 スパイスには多くの種類があります。古来より料理に使うだけでなく、薬としても色々な効果をもたらしてきました。多くのスパイスには特徴的な香りがあり、その香りの為に迷信的な使い方もされていました。「クローブ」もその一つです。

「クローブ」は、どんな植物?

 フトモモ科の樹木で、樹高は10~15mくらいの高さになります。種子から発芽して10mくらいに育つまで20年ほどの年月を要します。花は木の高い所に付き、緑色の蕾が次第に紫色を帯び、開花します。花の内側は白い色で、開花するとスパイスの「クローブ」と同じような芳香を放ちます。蕾を乾燥させたものがスパイスの「クローブ」になります。熱帯地方の樹木なので、7~9月と1~2月の1年に2回収穫することができます。乾燥させた蕾の形から中国や日本などでは丁字(チョウジ)と呼ばれ、生薬の一つとなっています。

「クローブ」の主な産地

 インドネシア共和国のモルッカ諸島が「クローブ」の原産地です。現地の言葉では女王を意味すると言われる、マルク諸島とも呼ばれています。また、多くの貴重なスパイスを産出していたことから香料諸島とも言われています。およそ1,000の島々が集まっている地域で、古くから香辛料の原料となる樹木が育っていました。紀元前から香辛料の交易を行っていましたが、香辛料の価値がヨーロッパに伝わると利権を争う為の戦いに巻き込まれた歴史があります。現在の「クローブ」精油の生産は、インドネシアをはじめ、熱帯域のアフリカ大陸の東側沿岸のレユニオン島やマダガスカル島などの島々や南アメリカの一部で生産されています。

「クローブ」の香りと特徴

 開花する前の蕾を天日乾燥させたものがスパイスの「クローブ」です。それを水蒸気蒸留法によって採り出した精油が「クローブ・バッド」で、葉から抽出した精油もあり、「クローブ・リーフ」と言います。一般的に「クローブ」精油と呼ぶのは「クローブ・バッド」の方です。「クローブ」精油の香りは、お菓子の様な甘みとくっきりとしたスパイシーさがあります。強い香りには防虫の効果がありますが、疫病除けや、魔除けに効果があると信じられていた時代がありました。

「クローブ」の使い方の例

気持ちを上向きに

 甘さもあるスパイシーな香りは、落ち込んでいる気持ちを上向かせてくれます。根拠のない不安感や悲壮感があり、沈み込んで浮き上がれなくなってしまった時に使ってみてください。気分を明るくさせてやる気を起こさせてくれます。

お腹の不調に

 生薬の丁字には吐き気を抑えたり、胃の働きを助けたりする効果があります。「クローブ」精油にも同じ効果があり、食中毒や消化不良、下痢、嘔吐感などの解消に利用できます。ボディトリートメントで活用してみてください。

体を温める

 鎮痛作用があり、使いすぎて疲れてしまった筋肉や関節の痛みを取り除いてくれます。冷え性の方にも有効で、体が温まると自然に肩こりなどの不調が解消します。入浴時にバスソルトや入浴剤として利用してみてください。その際は乳化剤などを利用して低濃度で使用してください。

「クローブ」を使用する時の注意点

強力な精油です

 医薬品の鎮痛薬であるアスピリンと併用しないでください。薬が効きすぎてしまう可能性があります。

皮膚刺激があります

 肌に付くと赤くなったり痛みを感じたりすることのある精油がいくつかあります。その中でも「クローブ」精油はとても作用が強いので、敏感肌の方の使用はトリートメントはもとよりアロマバスも控えた方がよいでしょう。

子宮に作用します

 陣痛を促す効果があるので出産時には使えますが、基本的に妊娠中及び授乳中は使用しないでください。また、月経不順などでは良い効果が期待できますが、生理中の使用は避けてください。

「クローブ」のまとめ

 飛鳥時代の頃、すでに丁字は中国から日本に薬として伝わっていました。江戸時代の頃には刀の錆止めとして利用できることから、丁字油の製造が行われていました。ヨーロッパには1世紀頃に「クローブ」が伝わっていた記録が残されています。しかし、ヨーロッパの人々が「クローブ」の生産地を発見したのは、大航海時代も終わりを告げる頃の16世紀になってからでした。原産地のモルッカ諸島のある島には樹齢400年近い世界最古と言われるクローブの木があります。この木は、原産地以外の土地で栽培されている「クローブ」の元となっているとの言い伝えが残されています。

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