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ブラックペッパー(Black pepper)

原産地  インド
科名   コショウ科
特徴   木本
抽出部位 果実(種子)
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   サビネン、リモネン、β‐カリオフィレン、α‐ピネン、ファルネセン

「ブラックペッパー」のご紹介

 胡椒は現代の一般家庭のキッチンには普通に置いてあるスパイスの一つです。しかし、数百年前には同じ重さの金と交換できるほどの価値がありました。スパイスの王様と呼ばれることもある胡椒の精油「ブラックペッパー」をご紹介します。

「ブラックペッパー」は、どんな植物?

 胡椒の木は、コショウ科の植物で気温の高い水はけのよい土地に育ちます。つる性なので、近くの樹木などに絡みつき10m近くまで伸びることもあります。夏になると房状の白い小さな花が咲き、後に小さな実がブドウの房の様な形に実ります。スパイスとしてのペッパーにはいくつかの種類があります。代表的な黒胡椒は、完熟前の緑の実を黒くなるまでゆっくりと乾燥させます。白胡椒は、完熟して赤くなった果実を乾燥させて皮の部分を取り除いた後に出てくる白い種のことです。同じ木から採れた果実でも加工の方法で違う形のスパイスになります。

「ブラックペッパー」の主な産地

 胡椒の原産地はインド南部のケララ州と言われています。紀元前から現在のヨーロッパ地域に胡椒が運ばれていましたが、積出し港がこの地域にありました。肉の保存や匂い消しの為に使われた胡椒は、ヨーロッパ地域では育成しなかったので非常に高価な品として重要な交易品の一つでした。大航海時代は胡椒を得るために始まったと言っても差し支えないでしょう。現代のケララ州は、インド共和国の中でも最先端の電子工学技術を誇る地域で、インドの宇宙開発の先導的地域でもあります。農業の面では、現在も胡椒の栽培はされていますが、より付加価値を付けるために有機農法を採り入れている農園もあります。

「ブラックペッパー」の香りと特徴

 ピリッとした香りをスパイシーと言いますが、これは胡椒の香りからきています。胡椒の実を乾燥させて水蒸気蒸留法によって取り出したものが「ブラックペッパー」精油です。この精油は、爽快な香りの中に大地を思わせる温もりのある甘さが少し混じる香りを持っています。基本的にはキッチンにある胡椒と同じ香りですが、産地によってわずかに違いが出てきます。「ブラックペッパー」の香り成分には、防腐作用や抗菌、防虫の効果があります。匂いを消すための香りだけでなく、このような効果を持っていたことが胡椒の価値を更に上げていたと言えます。

「ブラックペッパー」の使い方の例

元気を引き出す

 無気力や無関心など、気持ちが沈み込んでしまっている時に使ってみて下さい。やる気が起きて行動的な気持ちを引き出してくれます。また、仕事などで集中したい時にも効果が見込まれます。

消化器系のケア

 胡椒は薬草としても使われてきました。特に消化不良や嘔吐、下痢など胃腸の手当に効果があります。胃腸の働きを活発にしてくれますので、入浴時やマッサージなどで活用してください。

血行促進

 血行を促すことによって冷えを改善したり、風邪の予防に利用したりできます。また、老廃物と一緒に固まってしまったセルライトの解消にも効果があります。トリートメントに使ってみてください。

「ブラックペッパー」を使用する時の注意点

香りが強力

 「ブラックペッパー」は、とても香りが強い精油です。ブレンドに使用されることが多く、単体で使われることの少ない精油です。他の香りをかき消してしまいますので、ごく少量から試してください。

皮膚刺激

 強力な香りからもわかるように強い精油です。肌につくと赤くなったり、痒みが出たりすることがあり、ひどい時にはただれることもあります。入浴時に使われる場合も乳化剤や植物油にわずかな量で使ってください。

香りに違いがあります

 基本的にはピリッとした爽快な香りの「ブラックペッパー」ですが、精油の産地によって香りが違います。甘みを持つものや柑橘系の爽やかさを持つものなどがあります。気に入った香りを見つけたら産地を確認して覚えておいた方がよいでしょう。

長期の使用について

 長期間及び、多量に使用すると腎臓に悪影響を与えると言う報告があります。強力な精油ですので、極わずかでも効果が見込まれます。使用量に気を付けてください。

「ブラックペッパー」のまとめ

 コショウ科の植物は数千種もの種類があります。日本にも数種が自生していますが、胡椒のような強烈な香りのするものはありません。香辛料の代名詞とも言える胡椒は、今では世界中の家庭にあると言っても過言ではありませんが、昔はとても貴重なものでした。奈良時代には、すでに中国から日本に入っていましたが、当初は薬草として使われていました。江戸時代の頃、日本で栽培されないように胡椒に熱湯をかけてから輸出していたと言う記述があります。それでも胡椒は日本の各地で郷土料理の調味料に使われ、現在もその味は引き継がれています。

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