2003年にアメリカで認知症と嗅覚機能の論文を発表した医師たちがいました。
Jürgen M. Peters, M.D., Thomas Hummel, M.D., Ph.D., Tilman Kratzsch, M.D., Jörn Lötsch, M.D., Ph.D., Carsten Skarke, M.D., and Lutz Frölich, M.D., Ph.D.
軽度認知障害およびアルツハイマー病における嗅覚機能:精神生理学的および電気生理学的手法を用いた研究
アルツハイマー病に関する嗅覚欠損仮説を明らかにするために、研究者たちは、嗅覚機能においてアルツハイマー病患者、軽度の認知障害を有する被験者、および健康な人との比較対象を行いました。
軽度のアルツハイマー病を有する14人の患者、軽度の認知障害を有する8人、および健康な年齢が一致した比較対象8人の嗅覚機能を、精神物理学的試験および嗅覚事象関連電位の両方で評価しました。
ドイツフランクフルト・アム・マイン大学病院精神科精神療法科の記憶クリニック
精神物理学的試験結果のグループ比較は、臭気の検出閾値、臭気の識別、および臭気の識別に関する重要な診断効果を示しました。これらの結果は、嗅覚事象関連電位から得られた結果と部分的にのみ相関していました。7人のアルツハイマー病患者および軽度の認知障害を有する4人は、低血糖を示唆しましたが嗅覚事象関連電位を示さず、すべての比較対象は明らかに識別可能な反応を示していました。アルツハイマー病の患者は、非応答者である可能性が高かったのです。4人のアルツハイマー病患者および軽度の認知障害を有する4人の被験者において、明確な電気生理学的応答を有していましたが、種々の事象関連電位成分の振幅および潜伏時間は正常であり、患者および軽度に障害のある8人の被験者のうちの7人は、精神物理学的方法を用いて機能的に異常なものとして分類されました。
電気生理学的結果は、アルツハイマー病および前臨床アルツハイマー病の患者における嗅覚機能障害を確認します。
詳細な認知検査および死後診断は、既存のバイオマーカーに加えて化学感覚事象関連電位によるアルツハイマー病亜型の早期診断および差別化を解決する可能性があります。
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要はアルツハイマー病の患者は嗅覚機能障害があったということです。そのことから日本でも嗅覚機能に刺激を与えることによって認知症が改善できるのではないかと考えた人たちがいます。そのパイオニアが鳥取大学の浦上克哉教授と言ってもいいでしょう。