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ジャスミン(Jasmine)

原産地  インド
科名   モクセイ科
特徴   木本
抽出部位 花
抽出方法 揮発性有機溶剤抽出法
成分   酢酸ベンジル、フィトール、酢酸フィティル、cis-ジャスモン、ジャスミンラクトン,安息香酸ベンジル、リナロール

「ジャスミン」のご紹介

 「香りの王様」や「花の精油の王」と呼ばれる精油があります。「ジャスミン」にはたくさんの種類があって古代エジプトではすでに栽培されていました。香料として使われているのは大まかに2種類があり、ここでは精油を採るための花をご紹介します。

「ジャスミン」は、どんな植物?

 「ジャスミン」は、モクセイ科に属する蔓性の植物で、主に熱帯や亜熱帯で自生しています。「ジャスミン」には細かく分ければ数百種があり、香りの高いものは大きく分けてソケイ属とマツリカ属の2種類があります。その内、精油を抽出しているのはソケイ属のロイヤル・ジャスミンと呼ばれる花です。細長く薄いピンクの蕾から咲く白い花は条件が良ければ一年中咲き続けます。花からは良い香りが漂うので、園芸用でも人気が高く、耐寒性を高めた「ジャスミン」もたくさんの品種が作られています。

「ジャスミン」の主な産地

 「ジャスミン」は種類が多く、原産地としては様々な地域が挙げられています。精油の原料になる種類はインドやパキスタン、ヒマラヤの北西部が原産地とされています。古代エジプトでもすでに栽培されていたと言われていますが、16世紀の半ばにはフランスで香料を得るために大規模な栽培が行われるようになりました。香水の街で有名なグラースはフランスの南東部にあります。有名な香水のメーカーが、看板商品とも言える香水の為にだけ栽培している「ジャスミン」の畑は、1世紀近い歴史があります。この地では毎年8月になるとジャスミン祭りが盛大に執り行われ、街中がジャスミンの香りに包まれます。

「ジャスミン」の香りと特徴

 濃厚で甘い香りの「ジャスミン」には200種類以上の成分が含まれています。香りの成分も多様なものがあり、複雑な「ジャスミン」の香りは現代でも科学的には合成できていません。精油は花から採れますが、揮発性有機溶剤抽出法と言う何段階もの工程がある方法で採りだしています。揮発性有機溶剤とは、簡単に言うと蒸発しやすく、他の物質を溶かし出す性質を持った有機物です。花は太陽の光に当たると芳香成分が揮発してしまうので、夜明けから午前の早い時間のうちに手作業で摘み取ります。花に含まれる精油の量はとても少なく、精油が抽出できる量はわずかで、約1㎏の花からたった1㏄しか採れません。

「ジャスミン」の使い方の例

ゆったりしたい時に

 リラックス効果と幸福感を与えてくれる精油です。いわれのない不安感や悲壮感を取り除き心が安らかになります。また、ストレスで寝つきが悪いとか熟睡できないなど、不眠状態を改善してくれます。お部屋に香りを広げてくつろいだ時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

お肌の改善に

 年齢肌や乾燥によってカサつく肌に、手作りの化粧水やクリームでケアしてみてください。「ジャスミン」には細胞の成長を促進する成分が含まれ、保湿効果もあります。炎症を抑える作用もあるので、シミや吹き出物の跡が気になる時にも効果があります。

新しい生命の誕生を手助けします

 「ジャスミン」は、妊娠中は使用しないほうがよい精油ですが、分娩の時は別です。陣痛が強くなってきたら腰や腹部に「ジャスミン」の入ったクリームなどを塗ってあげてください。痛みを和らげる効果があります。また、収れん作用も手伝って子宮の働きを促進します。柔らかい香りも気持ちを落ち着ける働きをしてくれるでしょう。

「ジャスミン」を使用する時の注意点

香りが強い

 「ジャスミン」は、非常に強く濃厚な香りがします。高濃度で使用すると頭痛や吐き気をもよおす事があります。他の精油とブレンドする時も注意が必要です。わずかな量から試してください。

妊娠中の方

 収れん作用があり、子宮に影響を与える可能性があるので、分娩時を除き、妊娠中の方は使用を控えてください。

皮膚刺激

 精油を直接肌に付けることはありませんが、濃度が高い場合などでは、肌に刺激を与える事があります。特に敏感肌の方は注意が必要です。

希少性が高く高価です

 「ジャスミン」は精油を抽出するための工程が多く、原料になる花の採取もほとんどが手作業で精油の収量も少ないことから非常に高価となっています。キャリアオイルと言って精油を薄めるために使う植物油を使い、色々な割合で薄めたものも売られています。元々香りが強いので、そのこと自体は全く問題ないのですが、薄めてあることがきちんと表示されていない場合があります。信頼のおけるショップで購入することをお勧めします。

「ジャスミン」のまとめ

 「ジャスミン」の精油はソケイ属の花から抽出されます。とても高価な精油ですが、「ジャスミン」の香りはジャスミンティーでも十分楽しめます。お茶に使うのはマツリカ属の花です。基本は緑茶に乾燥させた花を混ぜたお茶で、中国では花茶として有名です。沖縄県で「さんぴん茶」として親しまれているジャスミンティーは、ウーロン茶のような半発酵の茶葉が使われています。いずれも独特の甘く良い香りがあり、ビタミンEやミネラルも多く健康と美容に良い飲み物と言えます。様々な効能を持つ精油もお茶もジャスミンの賜物ではないでしょうか。

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