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ワイルドキャロット(Wild Carrot)

原産地  ヨーロッパ
科名   せり科
特徴   草本
抽出部位 種子
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   キャロトール、α‐ピネン、サピネン

「ワイルドキャロット」のご紹介

 ニンジンの野生種と言える植物があります。食用のニンジンが野生化したと言う説と、食用ニンジンの原種であると言う説がありますが、どちらが正しいのか分かっていません。和名は野良人参(ノラニンジン)と言います。

「ワイルドキャロット」は、どんな植物?

 セリ科の1年草で、冬越しをした場合は2年草となります。草丈は50㎝くらいになり、食用のニンジンと同じような細い葉を持ちます。夏から秋にかけて、たくさんの小さな白い花が半球状に形作って咲きます。「アン女王のレース」と言う異名が示すように、美しいレース編みのような花です。白い花がほとんどですが、たまに中心部分に赤や濃い紫の花が咲くことがあり、一説では昆虫をおびき寄せる為に色が変わると言われています。花が終わると中心に向かって丸まっていき、実が熟していきます。実の塊は形が似ていることから「鳥の巣」と呼ばれます。

「ワイルドキャロット」の主な産地

 「ワイルドキャロット」は世界中に自生しています。日本でも外来種と位置づけされていますが、ずいぶん昔から野原や河原に自生しています。現在の食用ニンジンの原産地は、中東のアフガニスタン周辺と言われています。そこから東西に分かれて広がり、様々な種類のニンジンになりました。大まかにヨーロッパに広がった西洋人参と、中国から日本にも渡ってきた東洋人参の2種類があります。「ワイルドキャロット」精油は、主にフランスやドイツなどヨーロッパの各地とインドで生産されています。

「ワイルドキャロット」の香りと特徴

 乾燥させた種子を含む実から水蒸気蒸留法によって精油が抽出されています。「ワイルドキャロット」の実にはトゲがあり、かつては里山でよく見かけた、衣服に付く「ひっつき虫」と呼ばれるオナモミ実に似ています。「ワイルドキャロット」の香りは、乾いた地面のようなイメージのある、香ばしい甘さを持っています。根は太らないので、食用にはなりませんが、食用人参を思わせる匂いもあります。種子から精油を採り出すと言うことで、「キャロットシード」とも呼ばれます。

「ワイルドキャロット」の使い方の例

心を自由に

 先入観などで、固まってしまった心を柔軟にしてくれます。「ワイルドキャロット」は固定観念に縛られ、気持ちに余裕がなくなってしまった時に新しい自分を発見する手助けをしてくれる香りです。

デトックスが期待できます

 肝臓は体内の毒素を中和する働きを持っています。しかし、沈黙の臓器と言われる肝臓は少しくらい調子が悪くても自覚症状が現れません。「ワイルドキャロット」精油は肝臓の保護に役立つ精油で、機能を整えて向上させてくれる成分が含まれています。体液の流れを促進することも期待でき、利尿を促し、むくみの解消にも効果があります。ボディマッサージや入浴で利用してみてください。

様々な質の肌ケアに

 抗菌作用や収れん作用があるので、ニキビや吹き出物が出やすい脂性の肌の方や、乾燥による小ジワのできやすい肌、また、老化によるくすみなどの予防に効果が期待できる精油です。近年では、肌の潤いを保つために必要とされる保湿に並ぶ皮脂の分泌を整える働きがあるとの説も出ています。

「ワイルドキャロット」を使用する時の注意点

香りが強い

 独特の土臭い香りは好みが分かれますが、この匂いに好感を持つ方でも高濃度で使用する事は避けてください。強い香りは体調を崩すこともあります。低濃度から少しずつ試してください。

敏感肌の方

 肌に良い成分が含まれている「ワイルドキャロット」精油ですが、稀に皮膚刺激を起こすことがあります。肌の弱い方は、パッチテストなどで確認してから使用する事をお勧めします。

妊娠中の方やホルモン性の疾患がある方

 ホルモンに似た働きをする成分が含まれています。乳がんなどのホルモン依存型の癌や、乳腺炎の方は使用しないでください。また、妊娠中の方は、合わせて収れん作用もあるので使用は避けてください。

「ワイルドキャロット」のまとめ

 日本に人参が伝わったのは16世紀頃に中国から来た東洋系の人参で、お正月の料理に使われる金時人参が代表するように赤味が強く人参独特の匂いも強い品種です。綺麗な赤色の野菜は煮物などの料理に彩を添え、煮崩れしにくいことから、たちまち日本中で栽培されるようになりました。西洋人参は江戸時代の末期の19世紀頃にオランダなどから渡来しました。現在では、それぞれ栄養価も異なる多くの種類が一年中栽培されています。ノラニンジンがいつ頃から自生していたかの記述はありませんが、寒さにも強いこの植物は日本中の至る所で花を咲かせています。

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