原産地  ヨーロッパ
科名   シソ科
特徴   草本・二年草
抽出部位 花と葉
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   酢酸リナリル(70%前後)、リナロール、スクラレオール、ゲルマクレンD、酢酸ゲラニル、ミルセン、酢酸ネリル、α-テルピネオール

「クラリセージ」のご紹介

 「クラリセージ」はシソ科のハーブの一つです。クラリとは、ラテン語で明るいとか清浄を意味するクラルスからきています。オニサルビアと言う別名があって真っ赤な花を穂のように咲かせるサルビアに近い植物です。

「クラリセージ」は、どんな植物?

 本来は1m以上にもなる背の高い草花ですが、ガーデニング用などの為に改良された品種であれば草の丈は70~80cmくらいのものがあります。まわりがギザギザになった大きな葉があり、花は穂の状態で薄紫や薄いピンク、白の小さな花がたくさん咲きます。寒さには強いのですが暑さにはとても弱く、気温が高すぎると枯れてしまいます。適度な気温の場所で育てれば種を植えてから2年は花が咲きます。学名はサルビア・スクラレアと言い、サルビアはラテン語でのセージに当たり、スクラレアは透き通るまたは、澄み切ったと言う意味があります。

「クラリセージ」の主な産地

 ヨーロッパから中央アジアにかけての広い地域が原産と言われています。標高が1,000m以上の高地で、比較的乾燥した石灰質又は砂地を好む植物なので、平地の肥沃な土地ではあまり栽培されていません。「クラリセージ」精油の産地としては、フランスやイタリア、ブルガリアなどのヨーロッパ各地とロシアの南部、モロッコが有名です。アメリカ産やニュージーランド産もあり、冷涼な場所では生育に問題はないので、世界中で栽培されていると言えます。

「クラリセージ」の香りと特徴

 すぅっとした爽やかでありながら奥に甘みを持つ香りがあります。花穂と花の付いている枝の葉を水蒸気蒸留と言う方法で精油を抽出しています。「クラリセージ」の一番の特徴と言われているのが、緊張を緩める効果が得られることです。女性ホルモンを刺激する成分が多く、女性特有の体や心の調子が悪い時には安らげる香りになると言われています。しかし、健康で不安や心配事の無いような時に「クラリセージ」の匂いを嗅ぐと、嫌な臭いに感じる事があるようです。

「クラリセージ」の使い方の例

心身が辛い時に

 ぬるめのお風呂に「クラリセージ」の精油を数滴入れてゆっくりと入浴すれば、徐々に緊張が取れてリラックスできるようになります。不快感や辛さが減り、幸福感を得られる効果があります。

肌のトラブルに

 ニキビや頭皮のフケ予防の為に、無香料の化粧水やシャンプーに精油を1、2滴入れて日常で使用してみて下さい。特に脂性の肌の方にはお勧めです。

女性特有の不調

 冷え性や月経のトラブル、更年期による不快感には、薄めた精油を下腹部に塗り小さくくるくると回すようにマッサージしてください。

「クラリセージ」を使用する時の注意点

飲酒前後の使用について

 お酒を飲む前や飲んだ後は使わないようにしてください。悪酔いをしたり、頭痛や吐き気をもよおしたりすることがあります。

妊娠中

 女性ホルモンを刺激する成分が含まれているので、出産時以外の妊娠中で「クラリセージ」を使用することは避けてください。最悪の場合、流産の危険につながる場合があります。

乳がんや乳腺炎などの治療中の方

 乳がんなどでホルモン治療を受けている方は使用しないでください。「クラリセージ」には、スクラレオールと言う女性ホルモンの一部に似た成分が含まれているので、治療の妨げになります。

ハーブまたは香辛料のセージと混同しないように

 「クラリセージ」と言う名前から料理などに使うセージと同じと思われることがありますが、まったく違う植物です。セージにも精油がありアロマとして使うことがありますが、神経に作用する成分があるので安易に使用しないほうがよいでしょう。「クラリセージ」を購入する時にはラベルなどきちんと確認してください。

「クラリセージ」のまとめ

 中世ヨーロッパでは、民間療法として「クラリセージ」の種から取り出される粘液で目を洗うと視界がクリアになったことから「クリア・アイ」と呼ばれることもありました。また、香りがマスカットワインに似ているので、質の悪いワインに混ぜられていることもありました。ただし、このワインを飲むと非常に悪酔いしたそうです。薬草の一つでもある「クラリセージ」は使い方によって毒にも薬にもなる植物です。

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