原産地  ヨーロッパ・北アメリカ・アジア・北アフリカ
科名   ヒノキ科
特徴   木本・低木
抽出部位 果実
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   α‐ピネン、ミルセン、サビネン、β‐カリオフィレン、テルピネン‐4‐オール

 

「ジュニパーベリー」のご紹介

 日本ではよい香りのする木材の代表と言えば、ヒノキを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
ヒノキの仲間にジュニパー(西洋ネズ)と言う木があります。
木からも精油が採れますが、この木に生る実からとても有用な精油が抽出されています。

「ジュニパーベリー」は、どんな植物?

 ヒノキ科のあまり高くならない針葉樹の一つです。
柔らかめの葉を持つヒノキとは違い、とても硬い針の様な葉を持ちます。
亜種の中には地を這うような形態の木もあります。
雄株と雌株に分かれ、雄花は黄色で雌花は緑色をしています。
日本では4~5月に小さな花が開花して結実し、およそ1年半かけて熟します。
実はブルーベリーの様な丸い形で、最初は黄緑から緑色をしています。
次第に色が付き、青から紫色になり黒に近い濃い色になった頃に採取されます。
完熟までに長い月日がかかるため、若い緑色の実と濃い紫の実が同じ枝に付いていることが多く見られます。

「ジュニパーベリー」の主な産地

 ジュニパーは、北半球の温帯より北の地域に広く自生しています。
精油の主な産地は、イタリアやフランス、ドイツ、ハンガリーなど中部ヨーロッパや北アメリカで採取されています。
広範囲で自生していて、ローマ帝国や古代の中国でも薬や料理にも使われていた記録が残っています。
有益な実が採れることから、北半球の涼しい地域で栽培されるようになりました。
日本にも栽培されているところがあります。

「ジュニパーベリー」の香りと特徴

 「ジュニパーベリー」は、ツンとした木の香りの中にわずかな甘みを感じる精油です。
精油はジュニパーの熟した実を水蒸気蒸留と言う方法を用いて抽出しています。
爽やかな香りと薬用成分がある精油は、様々なところで使われています。
有名なのは、お酒のジンの香り付けに使われています。
体を温める働きがあり、冷えからくる不調を整える効果があります。
また、利尿作用もあり、リンパの流れが良くなり解毒効果が期待できます。
殺菌や抗菌作用もあるので、昔は伝染病の予防や病気平癒の為にも使われていました。

「ジュニパーベリー」の使い方の例

解毒(デトックス)

 利尿や発汗を促すことで体内の毒素や老廃物を排出する助けになります。
ボディートリートメントやバスソルトに精油を加えて入浴するのもお勧めです。

体の不快を取り除く

 鎮痛作用があるので、関節痛やリウマチによる痛みを緩和することができます。
収れん作用もあるので、むくみの解消にも役立ちます。
当該の場所を優しくトリートメントするのがよいでしょう。

気持ちを整える

 ネガティブな気分や不安感を取り除く効果があります。
また、気持ちを切り替えて何かに集中したい時などにも役立てる香りです。
コットンなどに数滴しみ込ませて身の回りに置いてみましょう。

「ジュニパーベリー」を使用する時の注意点

腎臓に疾患のある方

 利尿効果が得られる成分が多いので健康な時は解毒などのために有効ですが、腎臓が弱っている時に使うと逆に負担をかけることになります。

妊娠中や授乳期

 「ジュニパーベリー」は、古代ローマの薬草についての本で避妊に使われていたと記載されていました。収れん作用があって子宮に影響を与える可能性が高いので、使用は控えてください。

長期間の使用

 利尿作用が高いので、長期にわたって連続使用すると健康な人でも腎臓に負担がかかるようになってきます。良い影響のあるものでも過度に使用すると、健康被害を及ぼすことになります。

「ジュニパーベリー」のまとめ

 ジュニパーは、針葉樹の中でも分布が非常に広い種類の樹木で、香りも良く実も付くことから古代より利用されてきました。
和名のネズ(杜松)とは、硬い針の様な葉を持つ枝をネズミ除けとして使っていたことから来た名前です。また、チベットでは魔除けの木として使われていました。
現在でも「ジュニパーベリー」は、精油を抽出するだけでなく、乾燥させたものを薬効効果のあるハーブティーにしたり、粉末状にしたものを料理の香味付けに利用したりしています。
「ジュニパーベリー」は実から取り出す精油ですが、葉からも精油が抽出されます。
この精油はジュニパー若しくはジュニパーブランチと言う名前で、甘さのないすっきりとした香りです。
使用方法は「ジュニパーベリー」と同じですので、好みの香りを選ばれるとよいでしょう。

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