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はっか(Japanese mint)

原産地  不詳
科名   シソ科
特徴   草本
抽出部位 葉
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   ℓ‐メントール、ℓ‐メントン、イソメントン、プレゴン、酢酸メンチル

「ハッカ」のご紹介

 日本の夏は特有の暑さがあります。温帯域ではあるものの島国特有の湿度の高さが、別格の暑さを感じます。そんな夏にぴったりの香りを持つ精油があります。「ハッカ」は、香りも作用もこの地の為にあるような植物です。

「ハッカ」は、どんな植物?

 「ハッカ」は、漢字で薄荷、英語でジャパニーズミントと言います。シソ科ハッカ属の多年草で草丈は30~50㎝になります。ミントの仲間と言われていますが、他のミント類に比べて葉が丸みを帯びているのが特徴的です。シソ科の植物全体に見られるように、葉を揉むとその植物特有の芳香があります。夏から秋にかけて、薄紫色の小さな花が茎から生えている葉の付け根部分にくっつくように固まって咲きます。耐寒性は比較的強く、湿度の高い日当たりの良い場所を好みます。

「ハッカ」の主な産地

 日本の在来種ですが、現在はジャパニーズミント、若しくはワシュハッカ、ニホンハッカと言う名で世界中の主に温帯域で栽培されています。日本にはヒメハッカなど、いくつかの固有種がありますが、自生しているものは準絶滅危惧種となっています。奈良時代の頃には食用とされ、香辛料のような役割をしていたと思われます。また、戦国時代においては薬草として使われていた記述が残っています。江戸時代の後期には本格的な栽培が始まり、同時にハッカ油として精油の抽出も行われるようになりました。

「ハッカ」の香りと特徴

 主に葉を使いますが、葉の付いたままの茎も使われます。刈り取られた「ハッカ」は1~2週間陰干しして、乾燥したものを水蒸気蒸留法によって精油が抽出されます。それを更に精製した物が純粋なメントールで「ハッカ脳」と呼ばれています。西洋のミントに似ている香りも含まれますが、ミントの鋭い香りではなく、日本の「ハッカ」には柔らかさがあります。しかし、主要な成分であるメントールは、他のミント類からは群を抜いて多く含まれています。

「ハッカ」の使い方の例

穏やかな気持ちに

 「ハッカ」の香りは、ミントのようなスーッとした爽快な香りの中に穏やかな甘さを含んでいます。ストレスや悩みなどで淀んでいる気持ちをスッキリさせてくれます。その上で、落ち着いた気持ちにも導いてくれる効果があります。なんとなく懐かしく感じる「ハッカ」の香りは、リラックスできる時間を作り出してくれるでしょう。

呼吸器のケア

 「ハッカ」にはメントールと言う成分が多く含まれています。メントールには抗炎症作用や抗菌作用に優れていて、風邪などによる喉の不調を回復させることに役立ちます。蒸気吸入やマスクに「ハッカ」精油を1滴たらしたコットンを入れて活用してください。その際、刺激が強いようでしたら薄めたものを使ってください。

お肌に快適

 メントールの成分が皮膚につくと冷たく感じます。虫刺されなどで痒みが生じた時に使うと、炎症を抑えるとともに冷涼感で症状を軽くしてくれます。また、夏の暑い時に入浴すると、かえって熱くなってしまう時がありますが、「ハッカ」を1,2滴入れたお風呂ではひんやりした感じがあり、快適な気持ちにしてくれます。

防虫

 独特の香りは不快な害虫が嫌う香りでもあります。爽やかな香りはルームスプレーとしても使えるので、一石二鳥と言えます。

「ハッカ」を使用する時の注意点

ケトン類について

 「ハッカ」精油にはケトン類の成分が含まれています。ケトン類は神経毒性がある可能性があります。従って、てんかん症の方や妊娠中の方、乳幼児に使う場合は注意が必要です。

刺激が強い

 香りと共に刺激も強い精油です。わずかな量でも様々な効果は見込めるので、しっかり薄めて使ってください。呼吸器のケアで吸入などされる場合は目に気を付けてください。

希釈容器について

 リモネンという成分が含まれています。これは発泡スチロールなどを溶かしてしまう成分です。スプレーや希釈容器にはポリスチレンを使わないでください。

「ハッカ」のまとめ

 「ハッカ」の先祖と言える植物は約2,000年前には日本に定着していたと言う研究結果があります。大変古くから活用もされていましたが、栽培されるようになったのは江戸時代の後期になってからでした。初めは現在の岡山県あたりで本格的に栽培されて、精油の抽出も行われるようになり、「ハッカ油」として広く活用されていました。その後、精油の抽出量を増やすための品種改良も行われて、現在では多くの品種が作り出されています。第二次世界大戦の前までは世界の大半のメントールは日本で作られていました。チューインガムなどの食料品やタバコのフレーバー、医薬品にも使われていました。合成のメントールが生み出されて一時は「ハッカ」の生産が非常に少なくなりましたが、自然の「ハッカ」の香りは、天然ならではの柔らかさや柔軟性が好まれ、主に北海道で栽培が続けられています。

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