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ひのき(Hinoki / Japanese cypress)

原産地  日本
科名   ヒノキ科
特徴   木本
抽出部位 木
抽出方法 水蒸気蒸留法
成分   α‐ピネン、δ‐カジネン、γ‐カジネン、ムロレン

「ヒノキ」のご紹介

 高級建材として有名な「ヒノキ」は日本の固有種であり、大変古くからこの地で活用されてきました。世界中の木材の中でも最上級の部類に入る「ヒノキ」は、日本人の心に響く香りを持っています。

「ヒノキ」は、どんな植物?

 ヒノキ科ヒノキ属の針葉樹で、日本と台湾にだけ生息しています。但し、台湾にあるヒノキは変種のタイワンヒノキとなります。針葉樹ですが、葉は針のような形状ではなく、小さなうろこ状の葉が密集しています。元々はやせた土地でも育成する事ができるので、岩山や荒れ地でも育つ樹木です。長寿になる木ですが、良質の木材となることから古来より伐採されてきたので、樹齢数百年を超える「ヒノキ」はあまり多くは残っていません。

「ヒノキ」の主な産地

 「ヒノキ」は福島県の南部から南の本州と四国、九州に分布しています。自生している木はわずかで、ほとんどが植林されたものです。木材として使うために植林されているので、真っすぐに育つように間伐や枝打ちなど人の手を入れて山を維持しています。三大美林の一つである長野県の木曽地方にある「ヒノキ」の山は、樹齢300年ほどの木が育つ天然のヒノキ林です。江戸時代に木曽の「ヒノキ」を守るために伐採が管理され、手入れも欠かさなかったことが、大きく真っすぐな「ヒノキ」が多く残っている要因となっています。

「ヒノキ」の香りと特徴

 「ヒノキ」の精油は、葉の付いた枝や幹の木の部分から水蒸気蒸留法で抽出しています。葉から採れる精油は、柑橘類に多く含まれる成分があるので、爽やかな果物の様な香りとスパイシーさを併せ持つ樹木の香りです。木の部分から抽出される精油には針葉樹独特の清涼な香りがあります。「ヒノキ」に含まれていると一般に思われているヒノキチオールは、日本の「ヒノキ」にはほとんど含まれていません。ヒノキチオールが最初に抽出されたのが、台湾に生息するタイワンヒノキからだった為にこの名前が付きました。

「ヒノキ」の使い方の例

悠然とした心と時間

 「ヒノキ」は日常生活の中で様々な物に使われています。香りはよく引き合いに出されるヒノキ風呂について言われるように、落ち着いたゆったりした気持ちにさせてくれます。リラックス効果と共にリフレッシュできる香りでもあります。必要とする場面で香りの強さを変えてみてください。

疲労を回復

 血行促進の効果があり、鎮静や鎮痛の作用もあります。日々の仕事や人間関係で疲れてしまった心身を穏やかに癒してくれます。また、うっ滞除去の効果もあるので、むくみのケアにも有効です。

住環境の改善

 「ヒノキ」には防虫効果があります。不快害虫は色々ありますが、特にダニを寄せ付けない効果が大きく、市販の防虫剤にも「ヒノキ」の成分を含んだものがあります。また、消臭の効果もあるので、ルームスプレーを作って活用してください。抗菌や殺菌作用もあり、一石二鳥にも三鳥にもなります。拭き掃除の時、バケツに1,2滴入れるのも効果的です。

「ヒノキ」を使用する時の注意点

皮膚刺激

 高濃度で使用すると皮膚に刺激を与えてしまう可能性があります。お肌の弱い方はパッチテストを行ってから使用してください。

強い精油です

 「ヒノキ」は樹高が30m以上にも育つ樹木です。その様な植物から採り出される精油はわずかな量でも様々な効果が得られます。多めに使っても効果は変わりません。高濃度で使えば刺激が強すぎて逆効果になってしまうので、使用量には注意してください。

抽出部位と産地について

 「ヒノキ」精油は主に枝や葉から抽出されるものと、幹の木部から抽出されるものがあります。それぞれ成分が異なり香りも違います。効能も違うので、ラベル等で確認してから購入してください。また、産地によって若干の香りの差があります。お気に入りを見つけたら産地や製造元を覚えておくのがよいでしょう。

「ヒノキ」のまとめ

 「ヒノキ」の名前の由来は火を起こすために使ったので「火の木」と言う説や、高貴な木と言う意味で「日の木」と言う説など諸説あります。古来より日本にあって、木目が真っすぐで美しく、芳香があり害虫を寄せ付けない、耐久性が高いなど、世界中の木材の中でも最良とされています。世界最古の現存する木造建築である法隆寺などにも「ヒノキ」が使われ、建造されてから1,300年経っても強度が衰えていません。木材としてだけでなく、防腐効果があり香りも良い事から、鮮魚や松茸の下に「ヒノキ」の葉を敷いて売っていました。また、樹皮は木が大きくなると縦にはがれるようになり、これを使って葺いた屋根を檜皮葺(ひわだぶき)と言って、日本各地の神社や寺院の屋根に使われています。このように大規模な建築物だけでなく、身近な木工品にも使われる「ヒノキ」は、日本にとってなくてはならない樹木であり、その香りは日本の心と言っても過言ではありません。

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