MENU

トンカビーン(Tonka bean)

原産地  熱帯アメリカ
科名   マメ科
特徴   木本
抽出部位 果実
抽出方法 ​アルコール抽出法
成分   クマリン

「トンカビーン」のご紹介

 マメ科と言えば、インゲン豆や大豆など食用の植物を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、数十mもの大木に育つマメ科の植物もあります。アメリカ大陸の熱帯地域で育つ大木の豆は甘い香りがします。

「トンカビーン」は、どんな植物?

 精油の「トンカビーン」はマメ科のトンカマメ属のクマルと言う樹木に実る果実から採り出されています。中南米の肥沃な土地に自生していて、樹高は20~30mに及ぶ大木に育ちます。樹皮はツルっとした灰色で木の本体は赤い色をしています。硬くて燃えにくいので耐久性の高い良質の木材として使われています。春から初夏にかけてピンクの花が咲き、夏にできた実は晩秋から冬にかけて完熟して収穫されます。トンカ豆、またはトンキン豆と呼ばれる種は、和食に使われる銀杏のように柔らかい果実の中にある硬い殻の中にあります。

「トンカビーン」の主な産地

 中央アメリカから南アメリカ大陸の北部でクマルは自生しています。広大なアマゾン川流域にはいくつかの先住民の居住地があります。ブラジル連邦共和国では、先住民を守るために居住地近くを保護地区として政府の許可なしでは立ち入ることができません。彼らの生活と伝統を守るために様々な取り組みがなされています。それはアマゾンの熱帯雨林を守ることにも通じます。その地でクマルを栽培する事は、森とそこで暮らす人々の両方を助ける手段としてとても有効な方法となっています。

「トンカビーン」の香りと特徴

 乾燥させた豆を溶剤抽出法によって精油を採り出しています。水蒸気蒸留法や圧力をかける圧搾法では精油の成分が壊れてしまう繊細な植物から精油を抽出する方法です。お菓子やアイスクリームの香料にも使われる甘い香りがします。芳香成分のクマリンがこの香りの元ですが、桜餅に使われる桜の葉の塩漬けや桜の花の塩漬けにお湯を注いで作る桜湯の香り成分も同じクマリンです。生の桜にはこの香りがありませんが、塩漬けにすることで香りが生じるようになります。クマリンが初めて抽出されたのがクマルの木の実だったことからこの名前がつきました。

「トンカビーン」の使い方の例

心を軽くする

 不安感や悲壮感、劣等感などで気分が落ち込んでしまった時にトンカビーンの香りが役立ちます。嫌な事や不快な事を無意識のうちに抑え込んでしまってしまう抑圧からの解放にも効果が期待できます。

女性特有の不快感の改善に

 女性ホルモンに似た作用があるので、ホルモンバランスの乱れからくる不調を取り除いてくれます。閉経前後に現れる更年期障害による、むくみやのぼせなど様々な症状の改善にも役立ちます。また、「トンカビーン」に含まれるクマリンはポリフェノールの一つで、活性酸素の除去や血液をサラサラにする成分なので、アンチエイジングの効果も見込まれます。

「トンカビーン」を使用する時の注意点

光毒性

 「トンカビーン」の精油が肌に付いたまま紫外線に当たると、肌に刺激が起きる場合があります。また、成分が体内にある時に日光にあたると日焼けしやすいと言う報告もあります。夜間や外出しない時に利用するのがよいでしょう。

クマリンについて

 クマリンには非常に良い効能がありますが、取り扱いには注意が必要です。血液をサラサラにする効果があるので血液の抗凝固薬の成分になっています。従って、心臓病や脳梗塞などの病気で抗凝血薬を服用している方は「トンカビーン」精油は使用しないでください。薬が効きすぎてしまう可能性があります。また、肝臓や腎臓に悪影響を及ぼす可能性もあります。過剰に使用しなければ大丈夫ですが、肝臓や腎臓に疾患のある方は医師や薬剤師などの専門家に相談してから利用する事をお勧めします。

妊娠中の方

 女性ホルモンに似た成分が含まれているので、妊娠中の方や授乳中の方は使用を控えてください。また、ホルモン依存性の癌や女性ホルモンに関する病気に罹患している方は使用しないほうがよいでしょう。

「トンカビーン」のまとめ

 トンカの木の名前は、南アメリカ大陸の北東部に位置するフランス領ギアナの先住民族の言語です。同じ地域で暮らす別の先住民からはクマルと呼ばれていますが、同じトンカマメ属の樹木です。果実から採れるトンカ豆は、バニラとは異なるタイプの甘い香りの香料として、例えば、ドイツのクリスマスの伝統的なケーキであるシュトレンの香りづけに使われています。美味しい桜を思い浮かべる事の出来る香りが、日本とは地球の反対側に位置する場所で採れるのは自然が繋がっていることを感じさせる要因の一つではないでしょうか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次